*Poem*



「no title」                             「no title」
あと一回涙を流した時           地下鉄の誰もいない車両に一人
私は何かを得ると思う           ゴーと響くこの音に不安を感じながら
その涙は                 車掌さんさえいないような気がして
傷ついたからとか             車掌室を見た
怒られたとか               大丈夫
感動したとか               次の駅で人がたくさん乗ってきた
悲しくなったからとかじゃなくて
ただ「泣いていい」といわれて             「no title」
そしたら私は何かを得ると思う       湖が砂漠になった日に
                     湖に映っていた月も消えた
「no title」               砂漠に映るものは枯れた草
また人を愛してしまった          花を咲かす前に枯れた花
裏切られることは分っているのに      雨さえ降れば太陽さえさえぎれば
また人を信じてしまった          月は見え、花が見えるはず
後の辛さを知っているのに         太陽さえさえぎれば
ねぇ神様は何故微笑むの?
そんなにやさしく              「no title」
そんなに冷たい手で触らないで       せみの鳴声で目が覚めた
怖いから…                一番最悪な目覚めなのに
ねぇ、神様は何故光っているの?      暑さで余計イライラするはずなのに
本当の顔を隠すため?           なのに
そんなに優しい言葉でささやかないで    寝巻きでコンクリートに寝転がったのは
信じてしまうから…            無性に答えを出したかったから

「no title」                             「no title」
咲く花の首を切り落として         風のように包み込んで
私の涙とともにそっと流した        私は土の匂いで目を覚ます
                     花のように包み込んで
何もない赤い土に種まいて         私は蜜の匂いで眠りにつく
淋しさに釘を打った            
出てこないように             「no title」
                     あの時確かにかすかに見た光は
大好きな青い空には雲が流れ        幻ではなく、やがて私の両手に包まれて
赤い蝶が血のように染めていった      私の心をやさしく包んでくれた