初回:00.5.4last update at

コンサート・レビュー(1

 


 

「私のエスニック・キッチン」

満員御礼

おかげさまで無事終了!

*********************

江口さんちのホームコンサート/2000430日、午後4時より

 

お料理教室ではございません!
畑中久美子(パーカッション、ボーカル、ピアノ)の、ジャズ、エスニック、日本の民謡、
ごちゃまぜライブです。
ジャズピアノと日本の桶胴太鼓やアフリカのジャンベ、オカリナと尺八の二重奏にパーカッ
ション、日本の民謡にボンゴやジャンベなど、いろんな取り合わせをこの場で出逢わせてみ
ようと思います。
楽器に国籍民族のバリアを飛び越えさせた時、そこにどんな響き合いが生まれる
か、その小さな試みです。
果たして、音楽のジャンルの壁は取り払えるか???

なあんてコンセプト?でやってみたんですが、ほんとにこんなこと出来るんだか、本人が
一番、半信半疑。
しかし、まあ、やってみた甲斐はありました。
お客さまの暖かい眼差しと、メンバーの力強いバックアップに助けられて、とにかく無事終了。
つきあってくださったみなさん、本当にありがとう。
一番楽しんでいたの、私だったかも知れません。
その、心優しく忍耐強い共演者を、再びご紹介しましょう。

出演:

荻野都(ジャズピアノ)・佐藤善江(オカリナ)
大畠良則(尺八)・田村猛(尺八)・吉野平(三味線)・・民謡グループ「OH!ジーンズ」



それでは、曲順に従って、一人反省会と行きましょう。

曲目:

ちょっとjazzy girl's talk..・女二人の、ああ言えば交友的ジャズ
  1. Full House(ピアノ、ジャンベ)
  2. Day By Day(ピアノ、ボーカル)
  3. 即興/お題・・冬(ピアノ、桶胴太鼓他)
  4. さくらさくら(ピアノ、オカリナ、ジャンベ)

Full House」二人ともちょっとかたかったけど、一曲目としては上々の滑り出し。
ピアノの足元に座って聞いていた三味線弾きでジャズ好きの吉野さんの「よしよし」という目に
助けられ、気合いが入る。
心配だったエイトヴァースもなんとか乗り越える。

Day By Day」本日ただ一曲のジャズボーカル。
いやあー、唄は照れます。
出だしをルバートでバラード風にはじめちゃったもんだから、よけいに照れます。
2
コーラス目から、ボサで歌ってピアノに渡したところで、畑中、なにを思ったかいきなり
チャンチキ(あとで民謡に使う)を持って、トライアングル風に刻みをいれようと試みるが、
やはりアガッテいたのだろうか。
思うように手が動かず、荻野都さんのせっかくのピアノをぶち壊す。
「ごめん」と謝り、ふたたび唄へ。
いやいやほんとに冷や汗もんでした。

「即興/お題・・冬」と「さくらさくら」は続けて演奏。
これはもう、夢中でなにやったんだか、解説不能です。
でも、すごく気持ちよかったことは確か。
冬は確かに冬の感じがしたし、さくらは確かに咲いたようです。
お題を「冬」と決めただけで、お客さんの前で果たして自分の中に何か湧いて来るのか、その
点はちょっと不安ではありましたが、やってみるとこんなに楽しいことはありません。
そして、大きな自信となりました。

荻野都さんとは一年ぶりの共演でしたが、本当にうまくなっていました。
「私、あなたの太鼓と一緒にやりたいのよ」と言ってくれた一言で、今回のコンサートの方向が
決まりました。
感謝!

土の笛、竹の笛・・・オカリナと尺八の素朴で不思議な響き合い
  5. 風(オカリナ、ジャンベ)
  6. アルメニアの糸紡ぎ唄(オカリナ、尺八、パーカッション)

「風」は最近テレビのコマーシャルでも流れている曲。
オリジナルのCDは、オカリナとギター、佐藤さんが持って来た譜面はオカリナとピアノでした
が、彼女はコード楽器を使わずに、オカリナと太鼓だけでやってみたいということなので、
ジャンベを使ってみました。
太鼓で果たして「草原の風」の感じが出るものなのか、はじめはどうなることかと自信がなかった
のですが、ジャンベって楽器は本当に不思議な太鼓です。
ガーナ出身の太鼓打ち、オスマン・オランド・ビングルさん(小金井在住)が、「太鼓が道を
教えてくれる」と言っておられましたが、太鼓は風の通り道も教えてくれるようです。
イメージすれば風にもなれる。
これは多分、和太鼓もそうなんだろうなあ。

「風」が終わったところで緊急事態発生。
曲の最後のほうで、年輩の御婦人のお客さまが意識不明の昏睡状態に陥ってしまい、救急車を呼ぶ
騒ぎとなりました。
一過性のものだったらしく、あとで元気になって戻って来られましたが、一時はどうなることか、
キモを冷やしました。
いやあ、下手なジャンベはやっぱり考えもんです。

救急車を見送って、とりあえずコンサート再開。
アルメニアの民俗音楽をなんと、オカリナと尺八でやってみようというアイディア。
私はハンドドラムを手に持って、桴でもなく手でもなく、小さな卓上用のほうきで叩いてみました。
これだとビートはきっちり出ますが音量が押さえられ、ダイナミックレンジが小さい分、逆に
エモーショナルなレンジが広がるような気がしました。
オカリナの素朴な響きに、尺八の扇情的といえるほどの情感が絡み付き、そこに不思議なうねりが
生まれて、なんか血が逆流しそうな感じがしました。
終わった時、お客さんの間から感嘆の声があがり、緊急事態の後だけにホッとしました。

それにしても、尺八という楽器の表現の幅の広さには驚かされます。
というよりも、奏者大畠さんの凄さかな。
もともと、ホルン奏者だった人ですが、今は目が全く見えません。
針灸師となって、しかし一度は捨てた音楽の道が諦めきれず、尺八奏者となった人です。

OH!ジーンズ的日本民謡・・自由度の高い民謡を目指す熱きおじさんたちとの共演
  7. 舟漕ぎ流し唄(尺八、三味線、パーカッション、歌)
  8. 長者の山(尺八、三味線、鉦)
  9. 津軽願人節(尺八、三味線、ボンゴ)
  10.秋田酒屋唄(尺八、ジャンベ、歌)
  11.津軽タント節(尺八、三味線、パーカッション、歌)

「舟漕ぎ流し唄」は、にしん漁の時の仕事唄。
田村さんのちょっとハスキーで素朴な声がぴったりです。
パーカッションは、主に青竹踏みの竹を使い、小締太鼓と桶胴太鼓(どちらも和太鼓)と組み合わ
せ、調子をあわせて船を漕ぐ時の身体感覚をリズムで表してみようと試みました。

「 長者の山」の聞きどころは、尺八二本の洋楽的ハーモニーの二重奏。
私は鉦ではいりましたが、この小さな楽器がクセモノ。
修行はまだまだこれからです。

「津軽願人節」は、昔、人に頼まれてお伊勢参りに行き、お札を取って帰って来るのを商売にして
いた願人坊主の唄。
スローでやって唄がはいると、なんか浪曲みたいな曲ですが、「OH!ジーンズ」はこれをアップ
テンポで軽快にやります。
それが私にはまるで、願人坊主がスタコラスタコラ街道を急ぐ足取りのように聞こえるので、
ボンゴを使ってみました。
OH!ジーンズ」では、こういうことも許される。
面白いグループですよ。

「秋田酒屋唄」は、三味線の吉野さんの男っぽい唄。
敢えて和太鼓は使わず、ジャンベをマレットで大間に打って、重低音を出してみました。

締めは「津軽タント節」
もともとはわら打ち仕事の時の唄だそうですが、今はさわぎ唄といって、いわゆる宴会
ソングの仲間だそうです。
「津軽じょんがら節」の前弾きが聞きどころだったのですが、吉野さん、出だしのところがあまり
にも素晴らしく、それで「もらった!」と思ったとたん、崩れました。
しかし「タント節」にはいってからは、快調。
練習の時には経験したことのないほど、重量感とドライブ感が出て、いい演奏が出来ました。
不思議なもんです、音楽っていうのは。

番外予告編
  ボレロ(ピアノソロ)

いやあ、とうとうここまで来てしまいました。
「ボレロ」は思い入れの深い曲です。
昔、私がエレクトーン教師をやっていたころ、2年ほど、自分でアレンジした「ボレロ」ばっかり
弾いていたことがありました。
ジャズピアニストの山下洋輔さんが「ボレロ」を弾き出したのも丁度そのころ。
(多分私のほうがちょっと早い!)
で、私もいつかピアノで弾きたいと思いながらも手に負えないところがあって、そのままになって
いたのですが、和太鼓やパーカッションをやるようになって、「ボレロ」がふたたび目の前に現れ
て来ました。

いつか、桶胴とか三味線とか尺八とかドラとか、和楽器や民俗楽器をたくさん使ってボレロをやり
たい。
いっしょにやってくれる人をひとりずつ増やして行って、いずれは民俗楽器オーケストラにするん
です。
そのうち洋輔さんが評判を聞きつけて、「オレにピアノを弾かせろ」と乱入して来るから、その時
私はピアノを洋輔さんに譲って、カスタネットかなにかをやるのね。
それとも、ピアノ2台でバトルをやろうかどうしようか、今、迷っているところなんですが。

で、こんにちただいま、これに参加してくれようという人は、前に出て来てどれでも好きなパーカ
ッションたたくなり、足をふみならすなり、どんどん参加してくださいと呼び掛けて弾きはじめま
した。
最初はみんなじっくり聞いていて、予定ではあと2コーラスくらいで終わりにするつもりだったあた
りにさしかかった時、やおら、ピアノニスト荻野都がジャンベを叩き始めたのです。
なんかいきなり血が逆流!燃えました。
急きょ予定を変更して、とにかく行けるところまで弾きまくることに。
そこへ、大畠さんが桶胴、三味線の吉野さんも桶胴のもう片面、尺八の田村さんが鉦、そして、
女性太鼓打ち中森さんがボンゴで加わって来て、すごいことになりました。
もう、どこで終わらせようかと...。
で、一回音量を落として、そろそろ違う展開にはいるぞと知らせたら、さすがにみんなミュージ
シャンだね、スーッと音量落として、それからもう一回盛り上げて、無事、エンディングに突入。
飛び出す人もいなくて、ビシッと終わりました。
どんどん加わって来てくれたことも驚いたし、リハーサルもなしで、こんなことができるんですね、
本当に驚きました。

本当に、音楽をやっていてよかった。
音楽のジャンルを取りはらって、バリアフリーな音楽をやりたい。
そんな思いはますます強くなりました。

つきあってくれたミュージシャンとお客さん、そして、「好きなようにおやんなさい」と言ってく
れた主催者の江口さんに、心から感謝です。(200054日、畑中久美子)

 

感想を送ってね

 


 

「和太鼓・民舞・お祭りサイト」・ホームへ戻る


http://www02.so-net.ne.jp/~jamtoast/maturi-index.html
Maintained by K.Hatanaka Since 7/Aug./1999