|
その日は、あまりにも突然やってきました。
朝、元気に送り出した息子が、リレーの後で「疲れた」と校庭に横たわり、次に私が会った時は、脳死状態でした。そして、一日半後、息子は13歳という若さで、私達のもとを旅立っていきました。この時の気持ちは7年経った今も、とても言葉にすることはできません。
数日後、中学の先生が息子のからになったお弁当箱を届けて下さいました。息子が最後に食べたものは、私の作ったおむすびでした。「もっと美味しいものを食べさせたかった!最後の食べ物がおむすびなんて・・・・」という、どうにもならない後悔が悲しみを苦しみに変えていきました。
そして、悲しむことにも苦しむことにも疲れはてていた時、柳田邦男さんの本の中で、「初女さんのおむすびを食べて、自殺を思い留まった人がいる」ということを知りました。これが私の中で、消えない言葉となりました。
そして、佐藤初女さんという方が、何をしている方なのか何も知らず、この言葉に引っ張られるようにして、講演会に行きました。 その時、初女さんの「おむすびはソウルフード(soul
food)です。」というお話に、
「子どもが最後に食べたものが、おむすびで良かったんだ。」と初めて思えました。
その喜びが止まらぬ涙となり、そのことを先生にお伝えしたところ、すぐにイスキアに呼んで頂きました。
先生はおむすびを作って私を迎え入れて下さいました。ほとんど食欲のなかった私には、先生のおむすびはとてつもなく大きく感じましたが、泣きながら夢中で食べてしまいました。
そして何もおっしゃらず、ただ長い間、息子の写真を見ていた先生の頬に、すーっと涙が落ちるのを見た時、私は今まで抱えていた、私の悲しみ苦しみをすべて受け止めてもらえたと感じました。
その瞬間から、私の悲しみや苦しみはかたちを変えていったのです。
イスキアを後にするとき、「いつの日か、私は息子の死を、喜びをもって受け入れることができるだろう」と思えたのです。
この経験から、私は、どんな深い悲しみや苦しみも、それを受け止められた時、人は自らの中に立ち上がる力が生れるんだと信じています。息子が、生命をかけて「今を生きる」ということを教えてくれました。
そして初女先生の生きる姿から「今をどう生きるか」を学んでいます。
一人でも多くの方に初女先生と出会ってほしい、その想いで一杯です。
今回その想いを行動にしようとしましたが、会場は一年先まで予約が入っていました。
ところが突然キャンセルが出て、私に与えられた2月7日は、息子の誕生日でした。
ただの主婦に、どれほどのことが出来るか分かりませんが、講演会に来て下さった方と、先生との間に、心のおむすびが結ばれることを想い、そして、会場がこもれびの光を感じられる場となることを祈りつつ、準備しております。
皆様にお会いできることを、心より楽しみにしております。
森のこもれび 山崎
直
|