だって誕生日だから!
誕生日だから、
そんな理由になるんだかならないんだかな理由をつけて大石の部屋に押しかけた。
誕生日だから、
そう言って昼ご飯もそこそこに大石をベッドに引っ張り込む。
誕生日だから。
それはワガママ勝手を言っても大石の小言が出ない魔法の言葉だ。
「とは言え、やっぱり真っ昼間からっていうのはちょっといけない感じ?」
まだしっとりと汗を含む前髪を弄びながら、ちらりと隣りの大石を伺い見ればおかしそうに笑ってる。
「散々やることやっといて今更言うか」
「そうだけど」
やることやったらすっきりして頭も冷えたっていう、ね?
「でもこうしてゆっくり過ごすのもたまにはいいんじゃないか?」
「そー!もう、最近の忙しさってば、殺す気か!て感じだし」
考えてみれば中高と部活で毎日忙しく、大学に入ってみれば課題だなんだで忙しく、なんかいっつもドタバタしてる。
社会人になったらもっと大変だぞとか兄ちゃんには言われるし、そんなだったらマジ過労死するかも。
「それでなのかな、英二は顔がほっそりしてきたよ。体はそれほど痩せたようには思えないけど」
とかなんとか言いながら大石はオレの腕とか背中とかを触ってくる。
その手つきがやらしいと思うのは気のせいじゃないよね。
こう見えてスケベだからなー、大石は。
なに、2ラウンド目いっちゃう?
いやいや、オレはまだ充電中だし、もちょっとじらすか。
「体重は変わってないよ。あ、でも顔が大人っぽくなってきたとは言われる」
「そうか、英二もようやく大人になったか」
「・・・なんか大石が言うとやらしい」
「失礼な」
睨みあう事しばし、でもってお互いに噴き出す。
あー、いいな、こういう感じ。
やっぱ大石といるのが一番落ち着くし楽しい。
「大石も顔が大人っぽくなったよ。すっきりして男前度がアップしたじゃん」
笑ってる大石の顔に手を伸ばして、形のいいおでこから、シャープな頬の線を辿る。
それからすっと通った鼻筋へ、唇へと手を滑らせていくと、大石がふっと男くさい笑みを浮かべた。
やばい、今ドキッとした。
っていうか、ちょっときた、下半身に。
「英二は可愛い感じが抜けて綺麗になってきたかな。それに色っぽくなった」
駄目だって、そんな目で見たら。
まずい、煽られる。
「それって男に対する褒め言葉じゃなくない?」
色々やばくなってるのがばれないように、しらっと答えてみるけど。
ま、たぶん、大石は気づいてるだろう。
「俺から英二へ限定の褒め言葉だよ」
大石の膝がオレの足を、膝から内腿へと滑るように割り込んでくる。
あー、もう完全にばればれじゃん。
なに、その嬉しそうな顔。
ちょーエロいんだけど。
「俺以外の前でそんな眼をして誘うなよ?」
「おーいしも充分エロいから。ちゃんと自覚しろよ?」
英二限定だ、とか耳元で囁きやがって。
くそう、完全に火がついた。
いいか、行きますか、第2ラウンド。
真っ昼間だろうが気にしない、気にしない。
だって、誕生日だから!
back
(09・11・28)