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忍者と忍術



【内容】

著者の忍者研究の内容が、これでもかと言わんばかりに書きつづられている研究・考察本。小説ではないのであしからず。その中身を いくつかチョイスすると、兵法と忍術、服部半蔵、百地丹波と伊賀の乱、藤林長門と秘伝書、公儀隠密、お庭番、最後の忍者などについて 史実と著者独自の理論により語られている。

例えば最後の忍者はペリー艦隊来朝にあたり、艦内探索を命じられた沢村甚三郎の行動についての話であるが、およそすぐに想像する ような黒装束姿の忍者とは程遠い、むしろ現代のスパイに近いものである。これが日本最後の忍者として挙げられており、着目点としては 非常に面白い。項目としてはまだまだあり、あらゆる角度からの追求は他の追随を許さない。忍者本としてはかなりコアな仕上がりとなって いる。

【コメント】

なんというコトだ、知らない名前などがばんばん出てくる。生半な気持ちで呼んでいたら、あっという間に睡魔の誘惑に負けそうになっ たぜ。あぶない、あぶない。まさかこんなところでパソコン用語に苦しむ中年おやじの心境が味わえるとは、思いもしなかったことだ。 歴史に残された情報を集め、正面から真面目に検証しているのだ、ちょっとは難しいだろう。だが難しい事ばかり書いているわけではない。

ここで興味深いものを挙げる。以下、P.87より二木政長による忍術伝書「忍法水鏡」の例として抜粋されているものを抜粋。
「夜中心もとなく思う道を行くときは、人に当りてよきほどの石を、袖に入れてもつべし。気遣いに思うところ打ちみるに、必ずその体を あらわすものなり」

「わが家の内へ忍び入りたる者を知りて、とがめ申すには、わが名を呼ぶべし」

これに関して、この本では忍術伝書の内容が理屈っぽくなったこと、奇矯なことをいっているわけでなく、懇切丁寧でわかりやすいが、 体験を経ず、机上で書き改めた為、迫力ある表現ではないとしている。確かに理屈っぽくはあるが、私からすれば非常に試して みたいと、興味をそそられるものであった。

実験1・暗い夜道を歩くときに、闇の中に何かいると思ったらそこに石を投げてみよう。人がいれば「痛っ!」とかいうはずです。ただ し当然怒って向かってくると思われるので、実際に試すのは極力控えましょう。

実験2・もしも自分の家で泥棒を見つけてしまったら、自分の名前で呼びかけてみよう。調子のいい奴ならば「ああオレオレ」とか言う かもしれない。こんなところでオレオレ詐欺の原点に出会うとは!

理屈っぽいと言われた忍術伝書も読み物としてはたいへん面白く、引き込まれる。もしかすればそれが狙いだったのでは?自分の先祖で ある忍びを後世に残そうとして、あることないことをいろいろ書いた。だとすれば、その狙いは的中したわけで、こうしてここでとり上げ ているのだ。

どうして我々は忍者に心惹かれるのだろう。それは忍者がミステリアスかつクールなナイスガイだからだ。いや、みなまで言うな。 わかっている。実在の忍びがそうであったわけではないだろう。ただ私の中では不動の四番バッターの如く、君臨している巨大な存在なの だ。解っていただけただろうか。忍びに摂り憑かれた一人として、ぜひ一読することをお勧めする。

≪2005.5.29≫ 書込み


なんか手裏剣とか売ってたよ!伊賀流忍者店!

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