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柳生忍法帖(上)



















【登場人物】

柳生十兵衛三厳・・・・・・言わずと知れたあの柳生十兵衛。そう今、頭に思い浮かんだそいつです。二刀流じゃありませんよ。それは宮本武蔵 です。

加藤式部少輔明成・・・・・・エロエロ大魔神。肉ぶとんに溺れる毎日。やがて家老に愛想をつかされたことが、この話の発端となる。

堀主水・・・・・・明成に愛想をつかした張本人。駄目主人にブチ切れして、会津を離れ高野山に逃げ込むも、早々に捕らえられ処刑される。

芦名銅伯・・・・・・会津七本槍を生んだ芦名一族の長。一族を存続させる為に加藤藩に取り入り、今や明成の強力な後ろ盾となっている。

堀一族の女たち・・・・・・堀主水の娘お千絵をはじめ、親戚の妻や娘など、会津七本槍の襲撃を免れた七人。

会津七本槍・・・・・・芦名一族より選びぬかれた武芸の達人。明成の手足となって働く七人。



【ショートカットストーリー】

⇒ コメントの術

会津四十万石加藤式部少輔明成は淫虐と暴虐のかぎりを尽くす魔王というべき人物。ある日、鷹野に出て狙撃されたのをきっかけに親衛隊 として「会津七本槍衆」を選び出した。

七本槍衆は明成の忠実なる護衛者。領国を徘徊して美女をあさり、主君の淫虐の祭壇にささげる。 だれもが彼らに戦慄した。家老、堀主水綱房を除いては・・・・・・

主水はむしろ明成の後盾で、何事もかばい、後押ししていたが、三年で全てむなしいことを知った。主水が明成をいさめると、明成は主水 を遠ざけるようになった。

鷹狩りに出た明成は、美しい娘の姿を見た。主水の娘、お千絵である。明成は主水に娘を側妾として差し出すよう命じた。主水は断った。 七本槍衆が上意討ちの声をかけて、堀主水の屋敷にのりこんだのは翌朝のことである。

だが武装して待ち構えていた主水ら百数十名は七本槍衆を横目に、そのまま会津を去った。主水は一党を解散し、小者らの身のふりかたを つけると、一族の女たちを鎌倉の東慶寺に託し、血縁の者を連れて高野山に入った。

明成は怒り、主水らを反逆罪として捕らえる許しを幕府に乞うたのである。幕府の許しを得た明成は、七本槍衆を高野山へ乗り込ませ 主水らを捕らえた。

主水らを江戸へひきずっていく途中、七本槍衆は東慶寺へ迂回し、堀一族の女たちをおびきだし、主水の前で斬り伏せた。七人の女が 残ったところで、そこへ東慶寺の住持天秀尼の母であり豊臣秀頼の妻である千姫があらわれ寺を守った。

幕府の許しが出ているため、主水らはどうにもできなかったが、七本槍衆を追い払い女たちを 守ったのである。そしてさけんだ、かならず女人の手によって罰が下されようと・・・・・・

十日後、雲水と武士の二人連れが東慶寺を訪ねた。江戸東海寺の宗彭沢庵と柳生十兵衛三厳である。

千姫はいう。この女の城をけがした奴ばらを成敗するのに、男の力はかりとうない。公儀の介入はかえって迷惑であると。 そこで、七人の女を七本槍衆を討てる女にしたてるために師匠として十兵衛を沢庵に連れてきて貰ったのである。

十兵衛は引き受けた。敵を討つには、自暴自棄になってはならぬ。身をおしみ、いのちをおしみ、石にかじりついても本懐は とげねばならぬ!女たちの覚悟は決まった!

蛇の目は七つ、七人の女たちと七本槍衆の死闘が今始まる!!



←この表紙が一番渋いと思うが、どうだろう。

【コメント】

⇒ ショートカットストーリーの術

とくにこれは忍者だ!って奴は出てこない。忍法帖という題が付きながら、これが忍法?というかんじであるが、山田風太郎の小説は 大体こんな感じなので、それは良しとする。

この話の主軸は、武芸の達人である会津七本槍と、剣術の達人柳生十兵衛率いる武家の女たちとの対決である。武家の女たちとはいえ、 やはり女性である。戦闘には向かない。しかも相手は武芸の達人でそれぞれに得意技みたいなのがあって、めちゃ強い。

だから、十兵衛が女たちを鍛え、作戦を練り、お膳立てをして、最後は女たちに止めを刺させるという、ほとんど全部仕切っている感じで 大変な役回りをしている。そう考えるとこの十兵衛の役回りこそが、とりもなおさず忍びの役目を果たしているではないか。

そう、裏方に徹底し、決して表には出ず力を尽くす。みごとな「上の手」である。 でも十兵衛、般若の面を被っておもいっきり敵の前に姿を現しちゃってるけどね。

逆に顔を隠して姿を現すことで七本槍に脅威を与えて、惑わし、引きつけることによって、女たちをサポートするという。 実に回りくどいやり方ではある。

しかし並の者では成し得ないであろうそのやり方は、十兵衛にとっては実に楽しい作業であったに違いない。他人にできないことを自分が やってのけるということに、人は快楽を覚える。

例えば子供の頃、鉄棒で逆上がりが出来るのが自分だけだったりとか(俺はむしろ出来ない方だったが)、中学生の時、数学の試験で 自分だけ100点だったりとか(俺は99点とったことがあるが100点はない)。

他人を下に見て快楽を得るというのは人の悲しいサガであり、ある意味特技でもある。まあとにかく、その快楽を得ることのできる実力を 持っている十兵衛はすごいってこと。

だが十兵衛が真にすごいところはそんなところではない。女七人に修行を受けさせながら、もと人妻を含め全員を惚れさせてしまうという 荒技をしてのけている。俺はぜひとも十兵衛に言ってやりたい。弟子にしてください!と・・・・・・

柳生忍法帖(下)へ続く・・・・・・


なんか手裏剣とか売ってたよ!伊賀流忍者店!

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