大阪吹田-江坂駅の鍼灸院/腰痛・ぎっくり腰・坐骨神経痛・肩こり・頭痛・五十肩・胃下垂・難聴・耳鳴り

BABA鍼灸北京堂大阪
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腰部脊柱管狭窄症

 

症例6

女性 70代 兵庫県 主婦 2018年4月初診
 
4月2日に車を長時間運転して以降、左足脛~足の甲にかけてしびれと痛みがでて、激痛で歩行が困難、寝ていてもまっすぐに寝れない。杖をついて娘さんに付き添われ来院。 
 

主訴

左足脛~足の甲、指先のしびれ、痛み。左臀部痛。

その他症状

特になし

既往歴                   

虫垂炎、卵巣摘出、右腓骨骨折、左足4趾骨折。

所見

ケンプテスト 陽性 左側屈で下肢に痛みが放散
Kボンネットテスト 腰の痛みと臀部の痛みで力を加えられない
SLRテスト 陽性 40°くらいで、腰、下肢に激痛。
左足関節筋力低下
腰をまっすぐ伸ばせない
 
整形外科にて、腰部脊柱管狭窄症、腰部椎間板ヘルニアと診断。

ツボ・筋肉

大腰筋、中小殿筋、大腿筋膜張筋、梨状筋。

治療

1回目の治療は、うつ伏せ、ベッドに寝るのもままならないので、側臥位での施術を行う。大腰筋の緊張に対して刺鍼、下肢の症状がでているあたりに響くよう刺鍼。
2回目治療、腰部を伸ばす、歩行もできるようになる。両臀部の鈍痛、両足先のしびれが少しあるので、うつ伏せで刺鍼。固さ、響きも少なくなり、いい状態になっていました。

考察

1回の施術で杖が不要になり、足が冷えてカイロを貼っていたのが張らなくていいようになり、痛みも大幅に軽減されました。大腰筋の緊張が強く、腰椎前彎が強調され、椎間板前方に圧力がかかるため、椎間板後方にズレや髄核の突出があり、それらが馬尾神経を圧迫する症状だったと考えられます。

 
このように、腸腰筋の緊張で悪化している脊柱管狭窄症やヘルニアに対しては、鍼灸でも変化が見込めます。
 
 

 

症例7

女性 40代 寝屋川市 デスクワーク 2018年6月 初診
 
3月くらいからお尻と足の付け根と太股の裏が痛くて、鎮痛剤でだましだまし仕事をしながら過ごす。
 
5月初旬に激痛で、立つも座るも寝るのも出来ず、横向きで唯一できたお尻に力を入れない状態で過ごす.
 
内蔵疾患を疑い、激痛の中で婦人科などで検査もしましたが異常なし。
 
整形外科は2ヵ所行きましたが1ヵ所目ではレントゲンを撮り、「ヘルニアも軽度みたいだし運動不足の腰痛ですね」とロキソニン処方のみ。
 
もう一か所は、激痛で救急で行き、MRIを撮って脊柱管狭窄症との診断をうける。10日間ほど入院し、トラムセットという薬を飲んで吐き気と頭痛に見舞われる。ブロック注射を2種類するが、効果はみられず。入院して6日目に先生が「これは狭窄症状じゃなくて梨状筋かなぁ?」といわれて、「どうする?狭窄症手術で駄目だったら後で梨状筋の手術をするっていう手段もあるけど」と。いきなりの手術の話しにびっくりし、「どっちかわからないのですか?」と聞くと「こればっかりはやってみないとわからない」と言われる。
 
この2年間、仕事で固い椅子に長時間座りっぱなしだったこと、立ち上がる時に度々お尻が痛かったこと、腰は全然痛くないこと、ヘルニアがあるのはわかっていたけど、ここ15年間に腰には痛みが全くなかったこと、からヘルニアや狭窄症はあるけど今のこの症状はまた別で筋肉がガチガチのせいでは?と疑っていたので手術を断り退院。
 
現在では、お尻と太股の裏、そして最近ではふくらはぎと足の甲にまで突っ張り感が出て、寝たきりの生活をおくっているとのこと。

 

主訴

右臀部痛

その他症状

右大腿後面部痛、下腿部痛

既往歴                   

卵巣嚢腫茎捻転

所見

SLRテスト 陽性 30°くらいで、腰、下肢に激痛。
股関節の深い屈(膝を抱え込むような姿勢)で痛み増
体位変換が困難なため、徒手検査もままならない。
 
前屈姿勢、丸まっている姿勢が比較的楽。

ツボ・筋肉

大腰筋、腸骨筋、中小殿筋、臀部外旋六筋。

治療

動くのが困難なため、往診に伺う。
ベッドで寝た状態で問診を行う。側臥位でのないときついということで、そのまま施術を行う。股関節の深い屈曲がで痛みが誘発されていたので、腸腰筋の過収縮が考えられます。1回目の施術は腸腰筋を中心に施術を行う。収縮が強く、どの鍼も響きが強く出る。
 
2回目治療、1回目の治療で歩くことができたり、洗面をできるようになる。楽な時間が長くなるが、はじめに症状がでた右臀部の痛みは変わらない。
腸腰筋の施術をベースに、外旋六筋への刺鍼本数を増やし、座位時に、椅子が臀部に触れて圧迫の強かった場所を重点的に施術を行う。
 
2回目の施術の後、鍼の返し症状が強くでて、2日間ほど回復に時間をようする。それ以降は痛みが大幅に軽減。早く治りたいということで、長時間ストレッチをしたために、ぎっくり腰のようになる。
 

考察

固い椅子に長時間座っていた期間が長かったということで、姿勢を維持するために腸腰筋の緊張を強いられていた可能性が高い。ご存知の方も多いと思いますが、立位よりも座位のほうが腰にかかる負担は大きい。腸腰筋でも、大腰筋は姿勢維持筋としての機能が強いので、長時間のデスクワークで強く収縮し、臀部に行く神経の圧迫につながったと考えられます。
 
また、座位によって坐骨周辺の圧迫が強く、外旋六筋の過緊張によって臀部下端の痛みへとつながったと思われます。
 
≪追記≫
10月に患者様からメールをいただきました。
 
脊椎専門の病院を紹介され、そこで黄色靭帯骨化症ということがわかりました。術後は足の痛みが消失し、歩行も問題なくできるようになったと報告をいただきました。
 
医療機関でのMRI検査の結果を鵜呑みにしてはいけないと痛感した症例です。
 
黄色靭帯骨化症
脊髄の後ろにある靭帯(黄色靭帯)が骨になり、少しづつ大きくなって神経を圧迫して、足のしびれや麻痺、歩きにくさ、痛みを引き起こす病気です。国から難病指定されている病気です。

 

症例5

女性 60代 大阪市 無職 2017年7月初診
 
3年前、腰の痛みが強く出たので、病院を受診。脊柱管狭窄症と診断され、手術を受ける。術後から右足親指、人差し指にしびれが出る。
去年の2月に、腰に強い痛みが出て動けなくなる。その後5分くらい歩くと、右足のしびれが強くなり、腰部から右おしり、大腿部外側に痛みが出るようになる。
 
 

主訴

右足先のしびれ、腰部痛、右臀部痛

その他症状

右耳鳴り

既往歴                   

特になし。

所見

ケンプテスト 問題なし
Kボンネットテスト  問題なし
SLRテスト 陽性

膝蓋腱反射 問題なし
アキレス腱反射 低下

チネル徴候 陽性
右足親指、人差し指の圧痛有

腰部 前屈 痛み増
間欠性跛行 有
 

ツボ・筋肉

腰部夾脊穴、腎兪、大腸兪、秩辺。多裂筋、大腰筋、梨状筋。

治療

1回目の治療は、側臥位での施術を行う。うつ伏せでは痛みが強く、シビレも増強される。
1回目の治療後、腰の痛みはなくなる。臀部の痛み、足のしびれに変化はなし。歩行の距離が延びる。
2回目治療後、階段の昇り降りをする機会が多く、ギックリ腰のようになる。右腰だけでなく左の腰の痛みも強くでる。

考察

脊柱管狭窄症手術後は、足のしびれがのこる場合もあると、担当医に説明を受ける。

今回、右足内くるぶしの下、後脛骨神経のとおるあたりのチネル徴候があり、足根管症候群の疑いがある。腰椎病変に足根管症候群を合併する例もあり、腰椎手術後の足のシビレの残存が足根管症候群の可能性もあるとのこと。
患者さんに、説明し病院の受診を勧めるも、受診はまだのようである。

 

 

症例4

女性 60代 守口市 無職 2017年3月初診
 
7年前に、右腰部から右臀部、右足にかけて痛みが出て、腰部脊柱管狭窄症と診断を受け、手術を受ける。
去年症状が再発し、8月に再手術を受ける。しかし、症状が改善されず再検査で血腫があることがわかり、それ以降症状が強くなる。
 
血腫を取り除くも、右腰部から下の症状の変化はなく、ブロック注射、痛み止めの服用などをするも、変化がなく、夜も寝れない状態が続いている。
 

主訴

腰部痛、右大腿後面部、右下腿部、右足指先のしびれ。長時間同姿勢がつらい、寝位のほうが痛みが強くなる。

その他症状

右手2~5指先のシビレ、右肩部痛。

既往歴                   

先天性股関節脱臼(手術はしていない)。

所見

痛みが強かったのと、両側股関節脱臼の既往があったので、徒手検査ができませんでした。坐骨神経症状があったので、Kボンネット、梨状筋の反応を診ましたが、陽性反応はなし。腰部の痛みはあるが、下肢の症状のほうがあ強い。
アキレス腱反射 反応なし
筋力
痛みのため、みれませんでした。
歩行の際、杖につかまってやっという状態で、体重をかけるのがつらそうでした。
 
腰部を伸展すると、下肢に痛みが放散する。

 

ツボ・筋肉

腰部夾脊穴、腎兪、大腸兪、秩辺。多裂筋、大腰筋、腸骨筋、梨状筋、大中小殿筋。

治療

1回目の治療は、同じ姿勢がきついので側臥位での施術を行うが、置鍼時間は短くなる。痛みのため、側臥位、同じ姿勢、長時間がつらいため。
1回目の治療後、大きな変化は見られず。夜も寝れない。
2回目の治療は、寝位がつらいので、座位にて行う。パルスを追加し鎮痛効果が高まることを期待する。

考察

二度の脊柱管狭窄症手術や先天性股関節脱臼もある難しい症例です。手術後の経過がよくなく、血腫が見つかったり、ブロック注射も効果がでないため、肉体的にも、精神的にもきつい状態です。今回も鍼灸で大きな変化が見られなかった症例です。
 
 
考察1
far out syndrome[FOS]
第5腰椎と仙骨の間で、第5腰椎横突起と仙骨翼で囲まれた椎間孔外で脊髄神経が障害される病変です。こちらは、安静時の足の痛みは少ない傾向があります。
詳しくは、脊椎外科医の戦場ブログを参照ください。
 
考察2
腰椎椎間孔狭窄症[LFS]
腰椎脊柱管狭窄症と似た症状を呈しますが、その名の通り脊柱管ではなく椎間孔が狭窄される病変です。
高齢の方に多く、椎間板が変性して無くなっていたり、腰椎の変形のある方に多くみられます。
こちらの特徴は、腰痛や間欠性跛行だけでなく、安静時の痛み、座位、寝位でも症状がみられる点や、夜間痛が見られる点です。
 
詳しくは、腰痛クリニック渡辺整形外科のページを参照ください。
 
脊柱管狭窄や、上の症状があった場合でも、筋肉を緩めて症状が緩和する場合もあります。そういった場合、3回ほどの施術で効果が得られます。それらの施術でもまったく変化の見られない場合は、上の病変の可能性が高くなります。

 
 
 
 


症例4

男性 60代 奈良市 無職 2016年12月初診

10年前くらいから腰痛があり、3年くらい前から歩いていたら痛みで立ち止まりたくなる症状である間欠性跛行がでてくる。色々な治療を受けるも症状に変化がみられず、3年前に脳神経外科にて「頸椎後縦靭帯骨化症」「胸椎黄色靭帯骨化症」「腰部脊柱管狭窄症」の診断を受ける。

2年前の5月に、頸椎、9月に胸椎の椎弓形成手術、去年の1月に腰椎椎弓切除手術を受ける。手術後も特に変化がみられなかったので、去年の11月から1か月トリガーポイント注射治療を受ける。右すねにでていたしびれが緩和したが、大きな変化がみられなかったので当院を受診。

主訴

腰部痛、右大腿前部、右すね、右足の甲のあたりにしびれ。歩行時に症状が増強。

その他症状

右手2~5指先のシビレ、右肩部痛。

既往歴                   

慢性骨髄性白血病、狭心症。

所見

・腰部
筋力
右股関節 屈曲、伸展 若干低下
右膝関節 屈曲、伸展 若干低下
左足首 屈曲、伸展 低下
足趾 屈曲、伸展 低下
つま先立ちが弱い
下肢筋肉は全体的に硬く、可動域も狭い。

歩行の際、腰部、股関節、膝関節、足関節の硬さが見られるので、安定しない。

腱反射
膝蓋腱反射- 後脛骨筋腱反射減弱 アキレス腱反射減弱

足背動脈の拍動変化なし

Kボンネット反応なし。臀部やハムストリングス、ふくらはぎ、どこを押圧しても痛い、張っているとのこと。
腰部特に伸展動作で、下肢の症状が増強される。

・右肩
・ドロップアームサイン陽性
・ペインフィルアークサイン陽性
・Lift offテスト 陽性
・スピードテスト 陽性

ツボ・筋肉

頸部夾脊穴、腰部夾脊穴、腎兪、大腸兪、秩辺。多裂筋、大腰筋、腸骨筋、梨状筋、大中小殿筋、三角筋、棘上筋、大小円筋。

治療

1回目の治療で、足のシビレが緩和。腰のぼんやりとした痛み、間欠性跛行は変化なし。右肩挙上がしやすくなる。肩を挙上して維持できるようになる。
2回目の治療後、長時間車で運転をしたので、腰の痛み、大腿部後面、前面のはりが強くなる。右すねのシビレがひどくなる。
3回4回の治療で、しびれは緩和するが腰部の症状、間欠性跛行に変化は見られない。
5回6回と側臥位で右側を重点的に施術を行うが患者さんの満足のいく結果は得られない。

考察

脊柱管狭窄症や靭帯の骨化など、神経に影響を及ぼす疾患を抱え、手術を選択されるも思うような結果が得られなかった症例です。

考察1
神経をゴムホースのようなものと想像してください。ゴムホースは圧迫され凹んでいます。ゴムホースは時間の経過とともに弾力性が失われ固くなってきます。そうすると、圧迫されて凹んだ部分は凹んだままになってしまっています。圧迫されているものを除去をしますが、ゴムホースは固くなっているので凹んだままになっています。

これを神経に置き換えてください。神経を圧迫しているものを除去しても、神経が固くなっていて圧迫により凹んだままになっているので、手術をしても症状が残る場合があります。

考察2
faild back syndrome[ FBS]
術後の症状残存、再燃する症状の総称です。腰椎椎間孔狭窄症やL5神経根障害など。手術に関わることなので、私たち鍼灸師がどうこう言える立場ではないので、難しいところです。狭窄部位も多様なので、どこが狭窄されているのか、1か所だけなのか、何か所もあるのか、判断が難しいようです。
また、far out syndrome[FOS]といって、椎間孔内外に変形や圧迫がみられ、L5神経領域に同じような症状を呈するものもあります。何度も手術していたり、レーザー手術をしていたりしている方に多くみられるようです。

考察3
狭窄の圧迫にプラスして、もともとも筋肉の固さ。

手術をしたから固くなったのか、もともと固かったのかの判別が難しいところです。刺鍼による大腰筋の固さはかなりのものでした。合計6回施術し、特殊な鍼も使用しましたが、大きな変化はみられませんでした。この筋肉が柔らかくなれば、効果も改善されたかもしれませんが、症状の変化具合と痛み、鍼の痛みなどを考慮した場合、継続治療が難しくなります。

考察4
痛みや手術というのは、肉体的、精神的どちらも大変な負担になります。

継続的な痛み、慢性の痛みは、脳に与える影響も大きく、痛みを脳がインプットしてしまうということがあります。少しの痛みでも強く感じたり、筋肉が人より固くなったり、全身に痛みが出たりすることがあります。

また、強烈な痛みであったり、事故であったり、他人によってなった障害や痛みである場合、手術、ストレスなどは、こういった脳への影響が強くなる要因になります。交通事故で、自分で転倒して痛めた場合と、他人あてられたリ、ひかれたりして痛めた場合とだったら、同じ症状でも後者のほうが重症化しやすく、治療期間も長くなることが大きくなります。

これは、被害者意識というものが出てくるので、この事故のせいで、この人のせいでとなり、対応が悪かったりすると、さらに悪化します。ちょっとした、体の変化も事故によってなったんじゃないか、あれがなかったらこんなひどい思いをしなくてすんだのにと考えるようになり、本来カラダの持つ自己治癒能力や免疫力などが働きにくくなるので治りが悪くなります。



6回の施術でしたが、遠方からの来院ということもあり、満足のいく結果を得られなかった症例です。手術をしてうまくいかなかった場合や、痛みが長期間ある方は、効果が出にくい場合が多いです。時間のかかることが多いのですが、そういった方は鍼の反応も強く出ることが多く、治療が続かなくなります。

では刺激量を少なくすればいいではないかと思われるかもしれません。そうしてもいいのですが、このような症例の方は、あらゆる治療を受けてきています。手術に至るまでに、鍼灸、カイロ、整体、マッサージあらゆる民間療法を嫌というほど受けてきています。当然、刺激の少ない鍼治療も受けていますので、そういった治療を望まれていないのです。

そういった医療機関での対応や会話で、治療や治療院、病院を嫌になっている方も多いのです。

治りが悪いと、怒る先生や頭がおかしいと患者さんを非難する先生もいらっしゃいます。

治療を受ける側は苦痛だからついついきつく言ってしまったりす場合もあります。或いは、治ると断言していたのに変わらない苛立ち、時間や金銭的な労力、負担もあります。治らないのにだまされているんじゃないか?という不安も出てきます。

逆に治療する側は、症状がうまくいかないことの焦りや不安などが出てきます。他の人はよくなるのに何で?患者さんは普通に話しているだけなのに、自分のことを馬鹿にしているんじゃないか?困らせているんじゃないか?と思ってしまってついつい患者さんに強く言ってしまったりするのかもしれません。

そうなった場合、いい方向に向かうことはありません。非常に難しい問題です。

当院では、適応・不適応をはっきりお伝えします。治療回数の目安もお伝えします。
「この回数をやって変化の出ない場合は、当院では難しいです。」
不適応で変化の出る可能性のある場合も、
「変化の見られる場合もありますが、本来鍼灸では不適応です。治療が効いている効いていないというのは、理屈抜きでなんとなくわかると思います。効かない、変化が見られないと思ったら違う選択肢を考えてください。ただ、変化が出ない場合でも最低3回は治療を受けてください。」

無駄な時間、お金、労力を使ってほしくありません。よりよい治療に出会うほうがいいのです。

勘違いはしてほしくないのですが、不適応だからといって治療に手を抜くことはありません。当院でできることはフル動員でやらせていただきますし、他の選択肢がある場合は、そちらの提案もさせていただいています。





症例3

男性 60代 横浜市 無職 2016年2月初診

27年の年末から左腰が痛くなり、少し歩くとしゃがみこみたくなる。年明けから何もしてなくても痛みが強くなり、病院を受診。MRI検査の結果腰部脊柱管狭窄症との診断を受ける。手術を勧められるが、怖いのでなんとか手術しないで過ごしたいということで、カイロや鍼灸など数軒治療を受ける。変化がなかったので当院を受診。
詳しくはこちらにリンクしておきますので参照してください。

主訴

左腰部痛。左臀部痛(前側から側面にかけて)、しびれ。
歩行時に左臀部から大腿部外側にかけて痛みとしびれがでる。

その他症状

なし。 

既往歴                   

悪性リンパ腫、胃がん、ぎっくり腰。

所見

筋力
左股関節 屈曲、伸展 低下
左膝関節 屈曲、伸展 低下
左足首 屈曲、伸展 低下
足趾 屈曲、伸展 低下
腱反射
膝蓋腱反射- アキレス腱反射-

徒手検査は痛みのためやっていない。

ツボ・筋肉

腰部夾脊穴、腎兪、大腸兪、秩辺。多裂筋、大腰筋、腸骨筋、梨状筋。

治療

1回目の治療。痛みが強く、うつ伏せになるのもやっとで、置鍼中も痛みでうなされるような状態。
2回目の治療。1回目の治療後、今まで移動のほとんどがタクシーだったのが、駅まで歩けるようになる。
3回目の治療。うつ伏せの治療がつらそうだったので、側臥位(横向き)で左側を重点的に治療を行う。大腰筋と臀部の刺鍼に、腸骨筋の刺鍼を追加する。
4回目の治療。前回の治療後、歩行をしても痛みしびれがでない状態が続くようになる。長い距離を歩くと、臀部側面から前側にかけて痛みが出るのと、膝の前側に違和感がでる。
5回目の治療。長距離歩いても、少し臀部や膝が気になるが、立ち止まって休憩をしなくてもよくなる。バス停から自宅までの坂を歩いて登れるようになる。今までは、自宅と駅の間はタクシーを利用。
10回目の治療。日常、歩行でも症状を感じなくなる。

考察

腰部脊柱管狭窄症は、鍼灸の適応ではない。
診断名のとおり、脊柱管が変形して狭くなっているからです。ただ、それがほんとに痛みを出しているのかは、わからないのです。実際に変形や狭窄があっても無症状の方もいらっしゃいます。
たまに、腰がすごく曲がったお年寄りがいらっしゃいますよね?痛みがひどくてもおかしくないのですが、全く症状がないとおっしゃる方がいるのと同じです。
なので、本来は不適応なのですが、症状が改善される場合もあるので治療を引き受けています。全く症状がなくなるかたもいらっしゃいますし、全く変わらない方もいます。10回ほど鍼灸治療をやって、変化がでないようであれば、鍼灸の適応でなかったということで、他の治療を考えてもらいます。

狭窄して痛みが出てる人もいれば、狭窄はしているけれど、変形している場所以外の周りの筋肉が硬くなっていることによって痛みが出ている人もいます。後者の場合であれば、間違いなく鍼灸の適応です。

今回の症例は、手術をしなくてよかった一例です。全ての腰部脊柱管狭窄症の方の症状が無くなったり、緩和したりするわけではありませんが、鍼灸治療をやってみてから、手術の選択をするのもいいのではないでしょうか?






症例2

女性 50代 横浜市 パート(荷物の梱包) 2012年12月初診

主訴

左臀部~大腿部後面にかけての痛みとしびれ、両足底のしびれ。

その他症状

首、肩のこり、腰部痛 

既往歴                   

特になし

所見

一か月前にぎっくり腰になり、安静に過ごした2週間後に、左臀部から大腿部後面にしびれが出てきて、歩行も困難になり、整形外科を受診。

MRI検査の結果、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアと診断を受ける。マッサージや牽引、電気治療、ブロック注射などの治療を受けるが、特に変化がみられなかったので、当院を受診。

安静状態でも、両足底のしびれはあり、数十メートルの歩行で、下肢に放散する痛みやしびれが増強して、歩行困難になる。10分以上の立位も困難。

ツボ・筋肉

腰部夾脊穴、腎兪、大腸兪、秩辺。多裂筋、大腰筋、梨状筋。

考察

安静時痛があり、病院にも通えない状態になったので、近所にあるうちの治療所に来院。通常だと徒歩5分とかからない距離であるが、通院当日は15分~20分くらいの時間を要した。


ヘルニアや狭窄があるので、すべての症状をとることは難しいので、痛みのコントロールとADLの向上を主眼に治療を行った。週1回の治療で、5回治療後、左臀部の痛みが緩和して、歩行スピードがアップしてきた。10回目の治療後、半年ほど休んでいたパートを再開できるようになる。足底のしびれは残っているが、それ以外の症状はほとんど気にならない状態である。現在も治療中である。



症例1

女性 80代 横浜市 主婦 2009年3月初診

主訴

腰部の痛みによる歩行困難、左大腿部後面、前脛部、指先のしびれと痛み。右側大腿部外側のしびれと痛み。

その他症状

背骨の側弯がある。後頭下部のこり、ひどいと頭痛や疲れを伴う。左前脛部に大きな神経鞘腫がある。

既往歴

骨粗鬆症。C型肝炎。右目黄斑変性症。頸部椎間板ヘルニア。
ペースで治療をする。治療後に痛みの変化はみられるものの、しびれに関しては変化がみられない。

2年ほど治療を続けるが、症状が少しずつ進行し、しびれ、左足筋力低下がみられるようになり、杖なしでは歩行できなくなったため、脊柱管の拡大手術、側弯矯正手術をする。術後の予後は悪く、一時的に腰の痛みは消失するが、足のしびれ、下肢筋力の低下、ふらつきなどがみられる。

骨粗鬆症や狭窄部位が広範囲ということもあり、なかなかいい成果がみられないのが現状である。日々の筋力トレーニングや運動も、痛みやしびれなどのために限界があり、さらには年齢的なものもあり、積極的な治療がなかなかできない一例である。

所見

整形外科でMRI、CT検査をし、腰部脊柱管狭窄症と診断を受ける。数百メートルの歩行で痛みやしびれが増幅する典型的な間歇性歩行がある。下肢の筋力の低下、腱反射の消失はみられない。

左足先のしびれに関しては、神経鞘腫の影響も考えられ、狭窄の影響と両方が考えられる。実際、一年後に鞘腫を摘出、前頸部から足背のしびれは消失するが、足先のしびれに変化はみられなかった。

ツボ、筋肉

腰部夾脊穴、腎兪、大腸兪、環跳、秩辺。多裂筋、大腰筋、中殿筋、小殿筋、梨状筋

考察

腰部脊柱管狭窄症は鍼灸の適応ではないが、手術をなるべくしたくないという本人の希望もあり、痛みの緩和と、症状が悪化させないため、週2回のペースで治療に来ていただく。
1年ほど通院していただくが、症状に変化がみられなかったので、再度手術をする。痛みは緩和されるが、しびれは変化がみられない。定期的に施術を行っている。
鍼灸の適応でないとわかっていても、症状に変化がみられず、辛い思いをされているのを診ているのはきついものです。自分の無力さを痛感する場面でもあります。
鍼灸で良くなる人もいますし、変化の出ない人もいます。当院では、良くならない症状を無理に引き止めたり、セカンドオピニオンを拒否したりといったことをすることはありません。患者様にとって何がベストかを考えています。


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