日本・ポルトガル コルク工業

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 コルクの森紀行

日本では梅雨の湿気に汗ばむ毎日を過ごす6月下旬、ポルトガルは夏真っ盛り。南欧の強烈な太陽が目を眩ませるほどの光を注ぎ、むせかえるような乾いた暑さが地上をおおいつくす。

 

リスボン市内を出発、1998年の国際博覧会開催に合わせて建設されたヨーロッパ一の長さを持つバスコ・ダ・ガマ橋を、テージョ川の雄大な流れを眼下に見ながら渡り、緑ひろがる長閑な郊外の道路をしばらく走ると、やがて枝葉を豊かに広げたコルク樫が何本もバスの両側に迫ってくる。太陽に肌が焼かれるのを感じながらバスを降りた場所は、ポルトガル全土725,000ヘクタールで一番密度の高い林のあるところ。「リオ・フリオ」(冷たい川)という名前を持つ場所にあるコルク樫の林だ。

 林の管理人に案内されながら歩くこと数分。コルク樫の周りで動く人たちの姿が大きくなるにつれ、「ガシッ、メリメリッ」という音が鼓膜に響いてくる。日焼けした男たちが太い腕で斧を振りかざし、そして振り下ろす。樫の幹に突き刺すこと数回。満身の力をこめて肉厚の樹皮を剥がす

女たちは、剥がれた樹皮を、男たちの作業の邪魔にならない場所に集め、トラックの荷台に載せるのを手伝う。この場所で、毎年この時期に見られるコルク樹皮伐採の風景だ。ポルトガル、夏の迫力ある風物詩。 

ポルトガルの主要な輸出品であると同時に砂漠化を防ぐ「防砂林」や小鳥・小動物たちの生息の場としての役目も果たすコルク樫の林は、その「公共性」の高さから、勝手に伐採することは政府によって禁じられている。樹皮の伐採ができるのは9年に一度。今年西暦2002年は、1993年に伐採された樫からのみ樹皮を剥ぐことが許される。樹皮の表面には、93年を表わす「3」の白い数字。伐採後の木肌には、「2」が書かれる。次回、ここに斧が振り下ろされるのは2011年のことだ。

政府によるコルク樫の管理は厳格だ。植樹後約25年が経ち、また幹の太さが70p以上になって初めて樹皮の伐採が許可されるのだ。時期も決められていて、だいたい6月から8月まで。ここで伐採の仕事に携わる人たちは、熟練の季節労働者だ。外貨獲得や雇用の創出などポルトガル経済に長年にわたり、はかりしれない貢献をしてきたコルクだが、順風満帆というわけではない。

ポルトガル国内では各種の開発計画があり、そのあおりを受けてコルク林が伐採されることもしばしばだという。そのため、ここ50年の間にコルク樫の数は減少気味、1ヘクタール当たりの本数も減り、ポルトガルは世界最大のコルク生産国でありながら、今ではスペインやイタリア、北アフリカなどからコルクを一部輸入しているのが実情だ。

 伝統的産業の保護・育成とグローバリゼーションがもたらす経済志向。時代の波動を感じながらポルトガルの人々は真摯にコルクと向き合いつづけている。  

 フリージャーナリスト 内藤哲也

 

 


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