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回想〜とある不死殺し〜
ダンシ?あぁ、よく知っているよ。
初めて彼に出会ったのは、彼がまだ6歳の時だったか。
私はラ・ルメイア王国で神官として働いていてね、セフィリアへと使いに行った帰りだった。
街道からすこし外れたその村で一夜の宿を取ったんだが、その時、ひときわ目立つ風貌の彼を見たんだ。
ナイトメアであるということ、そしてあの風貌、彼がどういう扱いを受けていたか、わかるかい?
私が目を止めたのは、彼がそんな境遇にありながら、腐ることなくまっすぐな眼をしていたからなんだ。
ほら、私も彼と同じナイトメアだから、彼の受けてきたであろう仕打ちについては分かるつもりだよ。
少なくとも、彼が受けてきたものは、私が受けてきたそれを下回ることはないだろうね。
彼は、私よりもずっと強い。そう、分かったんだ。

その晩、彼と少し話をした。彼は神の道に興味を持ってくれてね、まぁその時はそれだけだったんだが。
それから、近くを通るたびに、私は彼に会いに行ったよ。
何度も王都へ誘って、ご両親にも了解を得て、彼が王都へやってくることになったのは、、、その数年後の事だった。

神官として修行を積む毎日は、彼にはとても面白いものだったようだ。
彼は、不死殺しになるんだと言っていた。
不死殺し、我がラ・ルメイア王国に所属するティダンの徒であり、アンデッド討伐を主な任務とする連中のことだ。
かくいう私もその一員でね、彼が不死殺しを志すことは、心配ではあったが、嬉しくもあった。
中には危険な連中もいるが、彼はアンデッドを殺したがっていたのではなく、穢れを浄化するという、その信念をちゃんと分かっていた。
表には出さなかったが、彼自身の境遇もきっと大きく影響しているんだろう。

そうそう、一度ね、ガールフレンドを私に紹介しに来たことがあったんだ。
彼の生まれ、風貌、そんなものには一切構わず、彼の隣にいてくれたそうだ。
名はなんと言ったかな、人間のお嬢さんだったんだが、可愛らしい人でね、
生涯をかけて自分が守るんだと、彼はこっそりとそう言っていたよ。

それからまた何年経っただろうか、私が遠方での任務から帰ってくると、一つの噂が耳に入ってきた。
領内にある小さな村『アーデルベルト』、そこで大規模なアンデッドの発生があったというんだ。
当然、複数名の不死殺しが派遣された。その結果、、、村は木一本残さず灰になったそうだ。
ダンシはというと、ちょうどその時、彼女を連れて実家に戻っていたんだ。
彼が生まれた村、私と彼が出会った村、その村の名は、、、『アーデルベルト』といった。

戦闘の爪痕が深く刻まれたその場所へと、私は馬を走らせた。
ダンシ、彼女、ご両親、4人の消息を探して回ったが、結局は何も掴むことができなかった。

それからさらに数年後、彼と初めて出会った時から、15年ほど経っただろうか。
神殿から帰ると、家の前に彼がいた。
生きて還ってきてくれたことを喜ぶ間もなく、彼は口を開いた。

「あんたには感謝している。俺が生きることを許してくれた神さんにもな。だが、不死殺しのやり方に納得することは、、、やっぱり出来ねぇ。この国と共に歩むことは、もう俺には出来ねぇ。だから俺は、俺の道を探す、、、お達者で」

深く頭を下げると、彼はそのまま夜の闇へと消えていった。私は、一言も声を掛けることができなかった。。。

しばらくすると、時折、出向先で彼の噂を耳にするようになった。
一本筋の通った、強い神官になってくれているようだ。

事件の日、彼らの身に何があったかは知ることは出来ない。
きっと、想像を絶する思いをしたことだろう。
私には、今の彼にかけられる言葉はない。だから、、、
もし君たちが彼に会うことがあったら、、、
彼のこと、よろしく頼むよ。
彼女の消息は知れていません、、、PLさん募集中
しぇる@ダンシ SW2.0