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田舎者二人
「あれ?あんだ、なんでこんなとごさ居るっぺよ?」
「………」
あ、なんかあからさまにいやな顔された。
「むしろそれは俺が聞きてぇんだけど?」
「ん?おらは冒険者になったんだあ」
「ぶっ!マジかよ!お前、家業継ぐんじゃなかったのか?」
「んー、最終的にはなあ。今はいろいろなところを見て回ってんだっぺ」
「ふーん」
「しっかし、あれだっぺなあ。昔はおら達の村の馬にびびって姉ちゃんの後ろに隠れてばっかだったあんだが、いまやそれなりに名の知れた冒険者とはなあ」
「うるせえ。っていうか、お前俺より年下だろうが。偉そうなこと言うなよ」
「いやぁ、でも本当、びっくりしたべ。背もこんなに大きくなっちまって。昔はおらとおんなじくらいだったのによぉ」
「そういうお前は変わってねえなあ」
「む、悪かったな。ドワーフなんだからしかたねえべさ」
「いや、身長以外のところも。その訛りとか、直したほうがいいんじゃねーか?」
「ふんっ、おらはあんだとは違って自分の村に誇りをもってんだ。直す気なんかねーべよ」
「いや、おれも別に自分の村嫌いじゃねーけど。つーか、お前の村ほど田舎じゃねーし」
「…目くそ鼻くそを笑うってしってるべか?」
「うるせえ。つーか、女が目くそだの鼻くそだの言うな」
「ほー、あんだの口からそんなことがでるとはなあ」
「っと、こんなことしてる場合じゃねえな。そろそろ俺は行くぞ。先約があるんでね」
そう言うと、あいつは愛用の得物を取り出して掲げた。
あいつの粗野な性格とは裏腹に小さく繊細な剣。
おらもそれに合わせて自分の槍を重ねる。
「またいつか」
「どこかで会うべさ」
フロスト@ファム&ルクス SW2.0