×
フィルンの置手紙
魔動機文明時代、ルーンフォークとは忠実な僕だったとか何とか。大破局の後にその立場はほかの人族の間から「ともに戦う仲間」となったらしい。
たぶん主人を求めるルーンフォークの一部は困ることもあるのかなとは思うけれども、個人的には幸せなことだと思っている。いきなり何語りだしているんだと思うかもしれないが、とりあえず最後まで読め。異論は認めない。
お前が父親に見せてもらったと自慢していたのはまだ私のほうが(微かに)背が高かった頃だった。
もうこのままお前の成長が止まると信じていたからこの後の伸びには驚いたな。
話は戻すがある日いきなりお前は私の部屋に奇怪装置という名のへんな機械を持ってきた。
何であんな奇怪なもの裸で持ってきたし。
屈託なく「おい見ろこの機械面白いぞ!歯車が縦横無尽に張り巡らされているんだ!!」と奇怪な形容で見せようとはしゃぐ時には、なんだおもちゃかと思ったよ。
あれ本当は冒険者がロマンを求めて戦闘中に動かす機械らしいな。
自慢げにお前も見てみろよと無理やり隙間を覗き込まされたときは驚いた。
中には悪魔の装飾品?とか言う名前の道具の周りにところ狭しと組み込まれているはちぐはぐな部品が歯車のように整然と並んでいた。生まれて初めて自分の体の中身に興味を持ったよ。
お前が「な!すげーだろ?!」と妙に高いテンションで奇怪装置をバンバンたたいて私を見たときは、冷静をとりつくろった感想をいうつもりでいた。
でも、私が口を開く前にお前は「あれ・・・?動き出した・・・?」と不安げに呟いた。
今思うと当たり前だと思うが、さっきの衝撃で奇怪装置がカタカタと動き始めていた。
所詮子供のおもちゃ、どうせ大した効果もないだろうと高をくくった。
でもすぐにその奇怪装置は何かが焦げるすごくいやな匂いを発しだした。それだけだったら良かったが金属部分が赤熱しているし、ガタガタとすごい勢いで揺れはじめた。
あ、だめだ。この機械はしゃれになれない。とだけ思考が回った。
私が呆然としている横で隣でお前は既に泣き出しそうな顔で座り込んでいた(笑)。あの情けない顔は今思うと一生見れないな。
たぶん私も同じような顔をしてたのか私の顔を見てさらに泣きそうになるお前の顔をみて、何か言った気がする。その時元奇怪装置の爆弾が真っ赤になりながらさっきよりいっそう揺れだし、そこで私の記憶は途切れた。
 
次に気がついた特には水浸しの部屋と何かを言いながら私の腕を揺さぶるお前がいた。
廊下においてあったはずの防火用のバケツが転がり、壊れて原形をとどめていない奇怪装置と椅子。何があったし。
何をどうしたのかはわからないが私は奇怪装置を壊したらしい。
ばらばらの部品がなぜか少し怖かった。そしてこの欠片があの奇怪装置を形作っていたのかと思うといいようもない感覚を覚えた。
この後はまたも覚えてない。
とりあえずそのときに借りて返し忘れてたハンカチは同封したからお前も忘れろ。そして一生思い出すな。
 
 
これが私の故郷を出て冒険者になろうとする理由だ。そこまで遠くの方をぶらぶらするつもりはないから気が向いたら探してみてほしい。
言い訳をすると、私はマジックアイテムというのか変な道具というかそういったものに親しみを思える病にかかったらしい。恋の病だな。文句は認める。
つまりお前が嫌いだとか苦手だとかそういう問題でもない。
別に逃げたわけでもない、はず。
現に今ここに書き残すと、おまえ自身が悲鳴を上げそうな告白を聞いたときには恥ずかしくもうれしかった。ただ、奇怪装置の中身を始めてみたときのあの言いようもない不思議な感覚を思い返すと非常に申し訳ないことに・・・(一応マジックアイテムにに殉教するつもりは一切ない)
少なくともマジックアイテムとお前が崖から落ちかけたと想定すると、どっちから助けるか一瞬でも悩む私に資格はないと思う。
だから面と向かってしばしの別れを言うのは避けることにした。
ついでに今までお世話になった礼を言うことも忘れたことにした。因みに家主には礼を言ったぞ?
また変なもの手に入れたら持って来るから私のことは適当に覚えてろ。
 
 
PS:どうでもいい話をどうしても言いたくなるのが私の悪癖だが最後にくだらない頼みをいう。
私の死骸は奇怪装置にしてお前が使ってくれb
 
 
 
 
END
夢路@フィルン SW2.0