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この世で一番美味いもの

んでは2.0の高レベルキャラ、魔法使いハイドの昔話でもひとつ
2.0はキャラ作成時に「経歴表」というものを振るんです。んで、ハイドの場合は
何かの大会で優勝したことがある
忘れられないほど美味しいものを知っている
予知夢を見たことがある
の3つなわけですね
で、これでお題作文のような感じで行ってみようかと(笑)
「この世で一番美味いもん?そりゃーお前、決まってるだろ?(にやにや)」


「…さて、この子、どうしようかしらね」
森の中でゴブリンに襲われててたからつい助けちゃったけど
13、4くらい?ひょろひょろで色白で頼りない…聞いても何も答えないし
…そんな感じで、奇妙な同居生活が始まったわけよ
大人しいし、本の一つもあげれば飽きずに読んでるし。そのうち帰るだろうと思ってしばらく面倒見てたんだけど

「…ふぅん、アナタも真語魔法使えるの」熱心に魔法関係の本読んでると思ったら
面白そうだから、自分のスタッフを貸してみたら、まぁ見事なこと
「なるほど。思ったよりできるじゃない?けど…まるで教科書どおり、ね」
淀みない詠唱結印精神集中。よほどの努力家か、素質があったのか
「ケド、それじゃ満点は取れてもそれだけよね」クスリ、笑ってスタッフを取り上げる
「我が内に宿る命の源よ…その力、光となりて汝を穿たん   エネルギー・ボルト」
”教科書”には載ってない、ある意味では出鱈目のその発動。しかし、光の矢は目標を捕らえ、弾け飛ぶ
「…ぁら、思ったよりいいところに行ったわね」カラカラと笑ってみせる。その威力は、本来の魔力から見れば少年が目を見開くには十分なもので
「どっちがいいか、なんて無いけれど。あんまり古臭いのって、格好悪いじゃない?」そう、笑って頭をぽんと叩いてやった

さて、今日は仕事の日だ。簡単な遺跡の調査。日帰りでも十分の、楽な仕事だ
だっていうのに、今日に限って「行かないで」だなんて
仕舞いには付いて行くといって聞かないし
まぁ…いつまでも面倒見るわけにも行かないし。仕事の役に立つとは思わなかったけれど、世間知らずのお坊ちゃんにはいい薬にはなるかな…そんな程度だった

案の定おっかなびっくり影に隠れてぴったりついてくるだけだったけれど…油断していた。いや、言い訳するなんて、私らしくもない
彼が声を発した瞬間、もろとも奈落へ飲み込まれてしまった。全く、らしくない
見上げればぽっかり四角い穴。落下の衝撃は幸いたいしたことはないけれど、さて…どうしたものか
見回せば、扉が一つ。失敗したということと、それを足手まといのせいにしようとした自分に、知らず苛立っていたんだろう。また、普段は気づけるはずのものに気づけずに
「…っ!?」取っ手に手をかけた瞬間、右手に走る鋭い痛み。すぐさま針を抜き捨てても残る、違和感
「…麻痺…!」まずい。鍵はかかっている。毒が回る前にと取り出そうとしたツールが、音を立てて地面に散らばる
不安そうにこちらを見てくる。………そうだ…私は、冷静じゃ、ない。深呼吸をして、手招く
「まず、そこにあるものを拾って…そう、鏡があるでしょ。それを持って、こっちへ」
「それ越しに、鍵穴を覗く。どうなってる…?」
訳も分からない、といった様子だったけれど。賢い子だ。なんとか言葉にしようとしてくれる
「……その、2番目の、それ。穴へ差し入れてバネを持ち上げる。そのまま固定して、次はこっち…」
右手だけだった痺れが、段々と体を蝕んでいく。自分なら1分で開けられる、そんなちゃちな鍵だけれど
「歯車の溝が全部揃ったら、最後にそれを差し込んで回せば………OK。やるじゃない…?」カチリ。安堵の溜息を互いに漏らす
そのころには、壁にもたれなければならないほど。歩けるだけの感覚は残っていない
「分かってるわね?あなたのすること。その細い腕で、私を町まで運べると思ってるの?」クスクスと、笑ってやる。いや、泣きそうなその顔に、笑ってしまった
「はぁ…それじゃ、約束。ボウヤが帰ってくるまで、私はここで待ってるから…おいで」辛うじて動く左手で手招き
「…約束」もう一度、ニィっと笑って。肩を引き寄せると、その頬へ顔を寄せて…
「…ホラ、さっさと行って!あんまり待たせると、本当に干からびちゃうから、ね?」真っ赤な顔。おかしくてまた笑ってしまった
けれど、ようやく覚悟をしてくれた様子。背を向けると、開いた扉の向こうへ駆けて行き、その足音が闇の中へと消えていく
「…さて…それじゃ、私は私にできることを…」ぐるり、改めてこの小部屋を見回してみる。持ち上げた首にも力が入らなくなってきた
   無事に帰れたかしら、ね―」
全く、たまには人の話も聞くもんだ。そう言って、自嘲した


「…っつー…思いっきりひっぱたきやがって…!」真っ赤な頬をさすりつつ、戻ってきて残った酒を煽ろうと思ったら無くなっていた
「っかー!てめぇ笑ってたろ、くそ、後でオボエテロ…」ギロリと向けた目線の向こう。とびっきりの金髪が視界に入れば
「…ま、酒もいいけどやっぱり、な」
以上、懲りないハイドさんでしたとさ(笑)
fail@ハイド SW2.0