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黒の訳
 俺は別に焦っていたわけじゃないんだが、若かったと言うかやっぱり焦っていたのか……。
仲間内で勝手な内偵をして、証拠らしきものを掴んだまではまだよかったんだが、結局露見してな。
ものの見事に打ち倒されて、自分の従者まで殺された。
そこに神殿の手が入ってきて一網打尽だったわけなんだが、俺たちが罪に問われないはずも無く、
また言い訳などする気も無く捕らえられた。
そこでまあ投獄されたわけなんだが、まあ神殿関係者の暴走と言うことにされて1年もしたら出てきたわけだ。
従者に関しては、そのころ俺を主人として仕えに来てほとんど巻き込まれただけだったから、
蘇生の後説明もなく放免されてたらしい。
俺は釈放直後に豪快なオッサンに捕まって戦場なんかに連れまわされた。まあそれが師匠だったんだが、
曰く「これも鍛えなおす為の修行だ」と言うことらしかった。
師匠については結局名前も知らないんだが、よく面倒を見てもらった。戦いの何たるかを完全に理解したとはいえなかったが、
それでもまあ手ほどきは受けたってことだな。
ただ、騎士神の神官だったのかは実の所疑問だった。
勝つ為の努力や工夫をどんどんやれといってたからなぁ。
 実家は代々ザルツ地方に根付いて、大昔に家名を騎士神の魔法に変名したほどの神官の家系なんだが、
勘当同然になった。まあ当然だがな。
そういうわけで、俺も姓名を読み替え、訳し替えて今の名前に至ったわけだ。
 まあこれが俺の過去に在った情けない事のあらましだ。
 読んでくれてありがとな。旧名ラスラート・クラフトフェルト記す。
ウィンゲート@ラスラッド SW2.0