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大きな林檎の木の下で
こんばんはー、昔話をするんだよね?
じゃあそうだねー お世話になってた孤児院の「あの子」の事でも話そうかなっ
 
その子はね 「マリア」って言うんだけど
とにかく元気いっぱいな子なんだよ
でもなんていうか世間知らずっていうのかなぁ そんな感じの子でね
 
まあ、その子がね 先生に内緒で街に遊びに行った時の話なの
他の子は外に遊びに行く事もあったんだけど、その子だけは孤児院から出ないように言われてて
それがその子には納得いかなかったみたいでさ…
それである朝、こっそりと一人でルキスラの街に繰り出したの
 
友達が帰ってくる度に楽しそうに外の様子を話すのが羨ましかっただけなんだけどね
そんな軽い気持ちで、きっと楽しい事があるんだなぁなんて考えながらね
街へ遊びに行ったの そうしたらね
ただ歩いてるだけで、話しかけただけで、目が合っただけで
嫌な顔されたり、避けられたり、しまいには怒鳴られたりね
 
孤児院では教えてくれなかった「ナイトメアへの風当たり」っていうのかな
外の人は孤児院のみんなみたいに優しくないっていうのがわかっちゃったんだって
 
それからその子は大泣きしながら孤児院に帰ってきたんだ
ケンカに負けても、おやつを取られても泣かなかったあの子が珍しく泣いてるからみんな慌てちゃってさ
先生が理由を聞くとその子は勝手に外に出た事を泣きじゃくりながら謝ったんだけど
その時 先生は何も言わないでその子を抱きしめてあげたんだよ
 
とにかく その外出からその子は少し元気が無くなってね
孤児院の端にあった大きなリンゴの木の下でみんなが遊ぶのを眺めてる事が多くなったんだよ
 
それから何日か経ってからね リンゴの木の下でしょげてるその子に先生がこう言ったんだよ
「君がどんな生まれだからと言って 君がそれを気にする事は無いんだよ」
「どんな姿形だって君は君なんだ 僕は笑ってる君の方が好きだな」
って!
 
それからその子はあんまりくよくよ悩んだりするのは止めて
またちょっとずつ元気になっていったんだよね
・・・あのときは本当に嬉しかったなぁ
 
それでもね その子はナイトメアである自分が孤児院にいたら迷惑がかかるってずっと思ってて
15才になったと思ったらすぐに孤児院を飛び出して行っちゃったんだよ
その子がどうなったか? そこまでは知らないなぁ どこかで元気でやってるんじゃない
 
あぁ そういえば自己紹介がまだだったね
あたしは「ポミエ」 ポミエだよ よろしくねっ
ゼイン@ポミエ SW2.0