×
キャラメリゼ
……。
えーと。そんなことを聞きたいの?
まあ、いいけど。お代はいただくわよ?(空になったグラスを押し出す)
 
つきあってくれって言われて……、でも私、魔術師として大成することしか考えていなかったから、とにかく戸惑ってて。
そりゃもう、宿中を巻き込んだ騒ぎになってたような気がするわ。
(まあ、そのころは妙に恋愛問題が多かったような記憶もあるけどね)
友達には心配かけるし……リングやマリス……あ、このふたりは一番付き合いが長くて、親友って呼んでいいと思うんだけど、
それ以外の、普段は宿の仲間のプライベートになんか口を出さないような奴らにまで気を遣われてね。
それがまた心苦しくて……。ええ、今だから言えるけどね。
 
まあ、そういう状態でね。
とりあえず、ときどきは一緒に出かけたり、ここでお酒飲んだり……
あ、クルトはカクテルを作るの巧いのよ、知ってた(笑)?
 
それで、クルトと魔術師ギルドの書庫に出かけたことがあったのよ。
彼、旅行記とかを読むのが好きみたい。
今でも、私が仕事で見聞してきたものの話、よく聞きたがるしね(笑)?
 
ちょうど年末年始で、一度彼からも仲間からも離れて、しばらく故郷の街に帰省したの。
そこでちょっと事件があったんだけど、まあそれは別の機会にね。
 
そうやって、年が明けて戻ってきて……最初の仕事だったかしら。
オーファンのラヴェルナ導師の依頼でね。
報酬は高くなかったけど、そのかわり、「見聞録」の原本を見せてもらえる約束をしたのよ。
……いいでしょ(笑)?
 
で、そのとき……ふと思ったの。
ここにクルトがいれば、きっと喜ぶのに……って。
一緒にいればよかった、ってね。
 
………まあ、それが自覚した瞬間ってやつね。
 
だけど、……実際に彼に打ち明ける前に、ちょっと躊躇があったのも事実なんだけど……
サイベル……私の使い魔がね。勝手にクルトに懐いてくっつくのよ(笑)
サイベルはもうひとりの私だからね。
まあ、もう仕方ないのかな、というか、ね。
 
………。
なんなの、その顔は?
リクエストどおりに話してあげたんじゃないの。何か文句あるの?
………素面ではいえない話でございました。
アンブロシア@ルメリア SWRPG