Last updated Apr 17, 1999
渡辺玲子は、そのキャリアにおける一つのメルクマールとして、1999年3月にニューヨークにおけるデビューリサイタルを行いました。
彼女にとって偉大な一歩であるのは言を待ちませんが、ファンにとっても彼女が世界の檜舞台に上がったのは大変うれしいことです。私が入手した情報を元に、当日の様子を描写させていただきます。行きもせずに見てきたようなことを書くことになりますが、ご容赦下さい。
Reiko Watanabe, Violinist
Sandra Rivers, Pianist
Schubert, Sonata in A major ("Grand Duo") D.574
R. Strauss, Sonata in E-flat major, Op.18
Intermission
Ysaye, Sonata No.6 in E major, Op.27
Copland, Violin Sonata
Waxman, Carmen Fantasy (after Bizet and film score "Humoresque")
encore
Gluck, arr. Kreisler, Melodie
Korngold, Hornpipe (from Much Ado about Nothing, Suite Op.11)
* 当日は小雨模様であった。NYの3月ですから、かなり肌寒い天気だったことでしょう。
* 聴衆の集まりはどうかと気を揉んでいたが、蓋を開けるとほぼ満員となった。
* アリス=タリー・ホールは、定員数は千人程度。内装が美しいホールである。渡辺玲子によると、響きも素晴らしく演奏しやすいホールであったとの事。
* 日本からはペガサスの会の会員が12人駆けつけたが、NY総領事館関係者、NY在住ビジネスマン、ヴァイオリン関係者(中には竹澤恭子と江口玲がいたそうです)など多数が来てくれた。
* また、ジュリアードの学生、教授と思しきアメリカ人も多かった。(ペガサスの会の三浦さんによりますと、客はmostly
Americanであり、最前列はアメリカ人の若い人たちで占められていたです)
* 衣装は、金色で格子の織り模様が入った細身のドレスで、後ろのスリットに黒のプリーツが畳み込まれたものです。彼女のお気に入りの衣装なのでしょうね。パンフレットの写真では、ややオリエンタル趣味が勝った演出がなされていたのですが、舞台の上の彼女はシンプルなイメージで自分の存在をアピールできたようです。
* ピアノのリヴァースは、渡辺玲子とのバランスが今一つであったようです。いろいろ事情があったのでしょうね。この辺は、渡辺玲子本人も演奏中に感じていたようですし、NYタイムスの批評でも指摘されていました。
* カルメン・ファンタジーが終わったときには、渡辺玲子が花束攻めに合うと共に、最前列のアメリカ人聴衆が真っ先に立ちあがり、スタンディング・オベイションが起こりました。三浦さんも、「私はずいぶんいろいろなコンサートに行きましたが、あんなにみんなが立ち上がったコンサートというのは記憶にありません」と言われたほど、聴衆の反応は熱狂的であったようです。本当に嬉しいことですね。
* アンコール第一曲のグルック/メロディを弾く際には、渡辺玲子が綺麗な英語で「この曲は、2年前の3月14日に亡くなられたフックス先生に捧げます」と凛とした表情で告げました。
* アンコール二曲目の「ホーンパイプ」は、本プログラムに入れてもいいような白熱の演奏であったとのことです。
The New York Times (Mar 23, 1999)
Music Review By Mr. Anthony Tommasini
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