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渡辺玲子 インタビュー
「音楽の友」(2003年10月号)より

Last Updated May 15, 2004


1985年からニューヨークに住み、アメリカを拠点に各地で演奏活動を展開している渡辺玲子が、満を持してチャイコフスキーの協奏曲とショスタコーヴィチの協奏曲第1番をアレクサンドル・ドミトリエフ指揮サンクトペテルブルク交響楽団とライヴ録音(岡山、札幌公演)した。

今回の日本公演より前に、ロシアでマエストロ・ドミトリエフとこのオーケストラとともに演奏したのですが、大地に根ざした響き、特有のフレージングとニュアンスの作り方に感銘を受けました。とりわけチャイコフスキーの第3楽章でのオーケストラとヴァイオリンとの掛け合い、ショスタコーヴィチの冒頭のヴァイオリン・ソロが出る前の、オーケストラのフレーズがひとつの長いラインで切れずにずっと続くところが印象深く、より作品の内奥を知ることができました。


共演する指揮者や音楽家から得るものは多いが、シノーポリから学んだことは今でも鮮明に覚えているという。

マエストロ・シノーポリは音楽以外のさまざまな分野に興味を抱いていましたよね。それが音楽と人間の幅を広いものにしていました。2年ほど前から私もいろんな本を読むなどして、自分の内面の世界を充実させるように努力をしています。

毎夏イタリアに1ヶ月ほど滞在し、音楽家や友人と交流を深め、自己啓発に努めているのもその考えによる。

昔は結構ワイルドな性格で自由に行動していたんですが、今は"自分とは何か”と考えるようになりました。もっと自分を掘り下げ、音楽以外の勉強もしたいと...


そんな折、ひとつのチャンスが巡ってきた。来春(2004年)秋田に開校する国際教養大学の芸術部門の講師である。

この大学は授業が全部英語。私は、実際の演奏を通して、芸術とはどういうものかという講義を担当します。とても興味深く、自分の新しい面が開発できると、今猛勉強中です。

今秋(2003年)の日本音楽コンクール審査委員、来秋(2004年)日本でのブラームス・シリーズと、さらに新しい挑戦が続く。