新作公開 石北貨物撮影紀行

撮影・文:副管理人 


 昔々、まだ石北に重連貨物が走っていたころに非鉄で道東を訪れて以来(もちろん貨物の写真は撮ってない)、遠すぎて無理と思いつつも心の片隅であの風景の中をゆく列車の撮影に行きたいと思い続けていた。そんなところに去年南予でお世話になったKさんから石北に行かない?とメールをいただき、すぐに飛びついた。こうしてこれまで遠くて南東北止まりだった私が日本の最果てへ。予報は悪天候、当初雨予報だったが寒気が流れ込み雪になりそうだ。11月初頭というとカラマツのピークのはずだがはたしてまともに撮ることができるのか?

0.石北に行くまで
 
大阪から北海道に行くにはおおむね3つの選択肢がある。常識的には飛行機しかないが、他に列車、船という方法がある。帰りは帰ってすぐにいつものの生活が始まる事を考え、飛行機でさっと帰ってくることとして、行きはどうするか?
 
 まずKさんとの合流は31日夜に新千歳の予定。31日は休みなので全て移動に充てることも可能であり、運賃の高い飛行機にする必然性はない。
 それなら、飛行機よりややスピードが落ちるながら少し安い、列車を乗り継いでいく方法はどうかと思った。費用対効果で考えると日本海で青森まで出てしまうのがいいらしい。ブルトレ乗車は鉄ちゃん的にポイントが付くし、しかも新千歳に目標時間通りに着くとあってなかなか魅力的なプランだったのだが、日本海の大阪発車は19時前。金曜日は忙しくてそんな早い時間に乗ることができないし、富山まで特急で追いかけるとしても無理に近いので泣く泣く却下。
 次は敦賀から出ている新日本海フェリーに乗るという方法。非常に安いうえに深夜敦賀を出れば苫小牧にその日の夜つくので、船上での1日が暇ではあるが予定通り着ける。それで行こうか、と思っていたのだが、何と直前になって乗船日は船修理のため運休決定!出発前々日にHPで知った時真っ青になった・・・。
 
 さて・・・・割引がろくに利かないというのに、行きの飛行機を予約するしかなくなってしまった。同じ飛行機代払うなら、新千歳に夜に着きさえすればいいんだから、30日発のきたぐに(ありがたいことに大阪23時半発)で長岡まで行ってレンタカーに乗って大白川まで行き、只見紅葉号撮ってから新潟空港発新千歳行きの飛行機にでも乗ろうか?などとも考えたが、そこまで元気もなく・・・。
 
 結局、前日割はかけて、朝一番の関空発の飛行機に乗って新千歳へ。高かった(泣)。北海道はどん曇りで、しかも札幌市内でみぞれが降ってくるような状況。鉄活動ほぼゼロでひたすら札幌で食い歩き・・・。ええ、ビールにジンギスカン、札幌ラーメン、良かったすよ!1人でジンギスカンはさすがに変な感じもしましたが(汗)。
(その後、もっと安く上げる方法があったことに気付く。なんか悲しーわ。)


 その日の夜無事Kさんと合流して、レンタカーで一路道東を目指した。深川を過ぎるとはや積雪、道路状態も悪化。北見峠は完全凍結。1日目からこれは大変そうだ。

1.吹雪で始まった撮影

 朝起きると寒い!その上吹雪、路面も凍結。さらに、後で気がついて大騒ぎになったがレンタカーはまさかのノーマルタイヤ。車は激しく尻ふりダンスしていた。(Kさん、この時に限らず運転ホントにありがとうございました。)
 何とか列車が来る10分前に100kpに到着して列車を待つも、露出は厳しい。気温は11月初頭にして北陸の真冬並み。ただ、着雪した木々が夢のように美しい・・・。
 しばらくしてやってきた8071列車は北海道でわずか2両しか動いていないはずの原色機先頭!まさかこれが来るとは!




2009年11月1日 石北本線 丸瀬布-下白滝

2.白滝発祥の地も吹雪
 前日まで雪は全くなかったそうだが今日は一面銀世界。幻想的な雰囲気すらする渓谷に8073レが滑るようにやってきた。


2009年11月1日 石北本線 旧白滝-下白滝 

3.常紋146kpへ
 遠くの踏切が鳴り、ほぼ同時にDDの重厚なエンジン音が谷間に響き渡って来た。しかしなかなか姿が見えてこない。一歩一歩踏みしめるように、少しずつエンジンの音が大きくなってくる。エンジン音の高まりは心の高まりそのもの。何か高揚感を感じさせる。まだか・・・と何度思ったか知れない、ようやく、向こうのカーブにゆっくりとDDが姿を現した。
 
 これほどカッコよくDDが見えたことはない。紀勢西線でゆったりと客車を牽く姿もよいが、峠道を黙々と行く姿はさすがのものであった。
 写真の方は1日目と2日目の分を。2日目はまたしても原色先頭で登場!残念ながら晴れカットは撮れずだったが、常紋の着雪は非常に珍しいようなので、これも価値あるカットと信じて2枚。




 2009年11月1日 石北本線 生田原-金華


2009年11月2日 石北本線 生田原-金華


4.非常に濃かった撮影行

 2日目以降は予報の割に晴れそうなシーンも多かったが、なかなか晴れない・・・。それでも、どれも忘れられないカットになった。その中で奇跡的に晴れた時の感動は筆舌に尽くしがたいものだった。たとえば、2日目の8073レは奇跡的に直前に晴れた。このツアー初の晴れカットで大喜び。わかりにくいが、一応後ろは原色カマ。


2009年11月2日 石北本線 丸瀬布-下白滝

5.そしてあっという間に最終日。
 3日目の朝、何となくイケそうな予報を信じて、昨日はぶっつけで突撃したもののどこかいまいち判然としない間に雪がちらついてしまった新栄野の俯瞰へ。5日前に磐西で会った方が、11月3日からなら勝負する価値ありとばかり飛んできたんだという話を生田原の宿で聞いて勇気づけられた。石北に何度も行かれているあきらさんから撮影地の行き方を教えていただいた上で、さて今度こそは大丈夫と信じたい。
 さて、ついたときは曇天気味だった。今日で最後なんだ、今日だけは何とか・・・。すると北のカムイに祈りが通じたか、列車通過20分前から急速に雲が割れ始めばっちり日が当たり始めた。北の大地の朝日を受け、燃え上がるようなカラマツの紅葉に感動。これほどハートを熱くさせる風景はなかなかないと思う。ひたすら吹き抜ける寒風なんて気にもならない。ここぞとばかりポジは縦位置、デジは横位置で構える。
 そして7時ごろ。はるか先から朝日に輝く列車がやってきた。奥で一発、そして手前で一発!手ごたえあり!


2009年11月3日 石北本線 新栄野-遠軽


7.薬師山登頂

 この列車を追っかけて146kpに向かったが、残念ながら列車の後ろ半分がマンダーラで撃沈。さて、次の列車はどうするか?例の「飛んできた」方に別の俯瞰地を推薦いただいたのだが、Kさんも初めての場所で不安だということで薬師山へ。11月ながら気温は当然氷点下。しかも薬師山の頂上はひたすら強い風が吹き、しかもすぐ下は絶壁。なかなかつらかった。それでも瀬戸瀬から新栄野を過ぎる辺りまでずっと列車が見え続ける大パノラマはさすがのものだった。雲が多くひやひやしたが奇跡的に貨物通過中はすべて晴れ、列車が見える間ひたすら撮影に没頭した。さて、道路がややうるさいものの、ここでも列車をカラマツと撮ることができた。




2枚とも 2009年11月3日 石北本線 瀬戸瀬-新栄野

 この後8075レを一発撮ってから新千歳へ。飛行機でわずか2時間で関空についた。夢のような4日間、感動の連続だった。また行ってみたいけど、遠いなあ(^^;)。1カ月たっても絶賛金欠中ナリ。
 でも、撮影初めて10年、ここ2年はだいぶ変わってきたものの長年北陸線系統とキハくらいしか撮ってなかった私としては来年3月はある意味この世の終わり的な感じすらしていたのだが、世の中まだまだ広いし撮るものはたくさんあるという気になった。まだいろんなところで撮れるはず!
 


 来年3月以降も各地で撮影した写真をまとめまして、駄文をつらつらと連ねつつ、写真だけは皆さまに見ていただける(?)ようなページ作りを目指して頑張っていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。



 最後に、Kさん、今回もありがとうございました。あきらさん、メールで何度もした質問に逐一丁寧な返事を書き送っていただきありがとうございました。


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