オレが炎のセールスマンになった理由(後編)
「うわぁぁぁぁ〜〜〜」
ドシーーン
おもいっきり地面に尻をぶつけてしまった
くそ、やっぱり国外へ逃亡するんだった
「なんなんだよ、まったく
セールスマンの素質があるって言って
これで、何人もの人をだまして楽しんでやがるんだな」
ちょっと、人の事は言えなかったが、ここを出るには
5つの試練をクリアーせにゃならん
ぐずぐずしてると、どうなるか分ったもんじゃない
「しかし、5つの試練ってのはどこに・・・」
「ふっふっふ、よく来ました
第一の試練を受け持つマグネット伊藤でス!」
変なマッシュルームカットの男が出て来た
「お前が1つ目の試練か」
「わたしじゃなく向うに見えるものでス!」
俺はその言葉にいち早く反応し見た
そこにあったのは
「なんだ、あの人だまりは?」
「第一の試練、それはこの人たちに
うちの会社で扱っている伝説の壷を最低2つ売ってもらいまス
どんな手段を使ってもかまいません」
「なんだ、そんな事か・・・」
そんなの俺の得意分野じゃん
俺はたった3分で2つ売ってしまった
持ち前の強引さで・・・
「うむ、合格でっス、次に進んで下さい」
俺は奴の言う方向に向かって歩いた
自分なりに・・・
「ハ〜イ。
チョットまって、そこのと・の・が・た。」
俺は背筋に寒気を感じた・・・
ううぅ、後ろを振り返りたくない・・だがしかたない
俺はいやいや振り返った
うわぁ、思った通りニューハーフがそこにいた
「わたしは、ラブ渡辺。
第二の試練を受け持ってるの。」
「そんな事よりはよ試練の内容を」
「んもう、いけず。
まぁいいわ、第二の試練はこれよ!」
ジャジャァ〜〜ン
変な効果音とともに現れたのは・・・
うぎゃぁーオカマ集団の皆さん
「第二の試練、それはセールスマンですもの
人を見た目で判断しちゃいけないわよね
だ・か・ら、
この人達と和解して壷を売る事が今回の目的」
冗談じゃないよ、でもこれクリアーしないと・・・・
くっそーもうやけだ!!
「あら?いい体してるわねぇ〜。」
「たくましいぃ〜。」
「ははっ」
俺は完全に苦笑い
しかし、そのおかげでなんとか買ってくれた
「あら、クリアーしたのね
ちょっと勿体無いけど・・しかたないわね
次に進んでちょうだい」
なぜか、とてもなごり惜しそうな顔をしている
う〜ん、はよ先行こ・・・
5分ぐらい進んでいくと
「はい、そこ止まって」
いきなり呼び止められた
「第3の試練か」
「その通りです!」
いきなり俺の目の前に花が咲いたと思ったら
人間が出て来た
「うぉ、これは」
「ようこそ、第3の試練へ
私はギミック加藤、手品師です」
そうか、さっきのは手品だったのか
「今回の試練の内容は、
自分なりの芸で相手の気をひかせる事ができるかです」
「なんで、そんな事を?」
「自分なりの芸で相手の気をひき
そのまま売る、そういう教訓から生まれた
新しい商法です」
「そんな商法あるかーい」と叫びたかったが
あえて、黙っていた
「では、この人たちの気をひく事ができますかな?」
ギミック加藤のかけ声の後に、奥から30人近くの人間が
わらわら出て来た
「しかたない、こりゃあれで行くしか無いな・・」
俺は、訳の分からぬ踊りを踊りながら、なぜか
モノマネ王の『コロッケ』のモノマネをした
「なんだありゃ?」
「おもしろいじゃねーか」
どうやら成功のようだ
「クリアーですね、では次へどうぞ」
なんか、複雑な気分だ・・・
そう思いながら進んで行くと・・・
「まて」
もう、お約束なパターンだ
「俺は第4の試練を受け持つソドム宇都宮だ」
また、変なのが出て来た・・・・
「さて、第4の試練は
簡単に言うと霊感商法・・・押し売りだな
どのようにして客を信じ込ませるかがポイントだ」
「んな、むちゃくちゃな」
「では、三丁目の山口一家のお母さまに来てもらった、山口さんど〜ぞ」
奴の言葉と共に用心深そうなおばさんが出て来た
「なにアンタ?セールスマンかい、私はセールスは嫌いだよ」
いきなりこの有り様・・・
ここはひとまず世間話攻撃だ
「あら、アンタもそう思う?」
効果有り、よし次は壷に興味は有りますか?攻撃
「まぁ、少しはね」
よし、又効果有り!
最後の極め付け、おばさんに大効果の
超根切りアタック!!
「これ、わたしのお気に入りなんですけど
あなたの様な壷好きには屈服しました
ここだけの話なんですけど
この壷をものすごく安い値段でおゆずりします
この色、この光沢、このつや!どうです?」
「う〜ん、本当に安いの?」
「はい、嘘つきません!」
「じゃぁ、いただくわ」
やった、大成功
とっさだったが、自分にこんな才能があるとは
自分でも驚きだ
「うむ、合格
すばらしいセールスだったぞ
それでは、最後の試練だ」
ウィーーーーーーーン
天井が開いた、そこから・・・
「ああぁ、お前はサンバー田中!」
そう、そこには憎っくき黒マントが見えて来た・・・
「てめぇ、よくもだましたな!」
「だましてなんかいません
言ったでしょう、これはテストです」
「うるさい、それより最後の試練の受け持ちにあわせろ!」
「ふっふっふ、いるじゃないですかもう
目の前にちゃんと・・・」
「まさか・・・」
「そのまさか
最後の試練の受け持ちはこのサンバー田中だ」
「そうだったのか」
「わたしの試練は簡単
今までの試練で感じた事を私の質問に答えればいいだけ」
「なら、はよ言え!」
「いいだろう
君はこの試練の途中で一度でも諦めたかい?」
「いいや、諦めて無い」
「この試練で生きようとしましたか?」
「当たり前だ!」
「そして最後に
この試練を終えてセールスマンになる事を
諦めるか?」
「ここまで来たんだ、諦める事なんてできるか」
この最後の質問を終えた後、辺りは沈黙した
そして10秒後、奴は口を開いた
「合格だ
全ての試練を終えて、なおかつ
セールスにかける情熱の炎は消えない・・・
その消えない炎こそ、炎のセールスマンの象徴
私サンバー田中、
君を炎のセ−ルスマンと認め我が会社の入社を許可しよう」
回りから、拍手が鳴り響いた
そうか、そうゆう意味だったのか
炎のセールスマン・・・
「そうだ、まだ君の名前を聞いていなかったな」
「強引・・強引一朗だ」
「そうか、よし
君はこれからこの会社で『モルト一朗』と名乗るが良い」
「君、名前貰ったの?
凄い事だよ、ここでは名前を貰うとゆう事は
神に仕える事と同じなんだよ
今は、4人しかいないから君は5人目だ」
「これで五法全書から六方全書に書きかえられる」
横にいたギミック加藤とソドム宇都宮が言った・・・
まぁ、これが俺がこの会社入った理由だ
えっ、理由になって無い?
いいじゃないか、それよりさっき会社に強引に入れた
近くの高校の制服を着た少女・・・・まぁいいか
仕事に戻ろう・・・
終わり