「桃太郎」

むかしむかし、2時間ぐらい昔の事、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでおりました。
ある日お爺さんは、何を血迷ったのか山に芝刈りに、
それなら私もと、お婆さんまでもが川に洗濯に行ってしまいました。
芝刈りに出かけたお爺さんは、山道の途中変な声に気付きました。
声は、竹の中からします。
優しいお爺さんは、
「中の人が危ないから、ナタではなくて素手で割ろう」(声:市原悦子)
とナタで竹を割ることにしました。
するとどうでしょう。
中から、フランス系の美女が現れたではありませんか。
「何者じゃ!」
「...私はカトリーヌ。未来人です」
初めは意味が分かりませんでしたが、ハナシを聞いていくうちに
彼女の住んでいる未来の世界が大変なことになっていることや、
大変なことを起こさないために、
この過去の世界にやってきたこと等々が判明しました。
「原因はハッキリしています。
 鬼ヶ島にいる鬼六...奴を倒して下さい!
 それが出来るのは、あなただけなのです桃太郎さん!!」
「...ワ、ワシが!?じゃが、ワシももう歳ですしのぅ」
カトリーヌは、やってくる時代を少し間違えたようです。
桃太郎お爺さんは、腰痛を理由に旅立ちの決心をなかなかしてくれませんでした。
しかも、桃太郎のパロディー話は世間に山ほど溢れていると言って、悪態をつく始末。
困ったカトリーヌは、最終手段を取りました。
「もしも鬼を倒してくれたなら、
 来週の少年マガジンを一足早く読ませてあげましょう」
「ホントゥデースカー?」
「なんてったって、わたし、未来人ですもの」
お爺さんの目は、少年に戻りました。

家に帰ったお爺さんは、さっそくこの事をお婆さんに話すことにしました。
しかしお婆さんは、洗濯の帰りに廃品回収置き場で拾った
<桃のかんづめ:さくらももこ著>を熱読中です。
呆れたお爺さんは、一人でキビダンゴを作り、無言でその日のうちに旅立って行きました。
夕食には帰るという、置き手紙を残して...

鬼ヶ島の場所は分かります。
が、もう一度地図で確認。次にパンフレットでも確認。
この間、孫を連れて遊びに行ったとき、酷いことにその曜日は定休日だったのです。
さてはてお爺さん、健康のためにと道中を徒歩で進んでいるところ
途中一匹のトキに出会いました。
まずは名刺交換。
そして、トキは唐突に言い出しました。
「着いていく。理由はないけど、ただなんとなく」
お爺さんは、二つ返事でOKしました。
「それではキビダンゴを一つ下さい」
贅沢な鳥類です。お約束ですが、トキの目当てはダンゴだったのです。
ダンゴ3兄弟のCDではありません。
これは新手のサギ師だと気付いたお爺さんは、機転をきかせることにしました。
「トキは絶滅寸前なんだ。
 そんな君が、もちを喉に詰まらせて死んでしまったらどうするんじゃ」
トキは、お爺さんの優しさに心打たれました。(ここ、泣き所)
「あんた、いい勇者になれるぜ」
感動したトキは、自分が持っていたクサダンゴをお爺さんにあげました。
そして、佐渡島に帰っていきました。
「キビダンゴにクサダンゴ...」
お爺さんは少しずつ、ダンゴコレクターの道に目覚めていくのでした。

山を越え、砂漠を越えると、今度は大勢の猿達に出会いました。
ざっと100匹はいます。
「鬼退治するらしいじゃないかウッキー!」
「仲間にしれくれウッキー!」
「キビダンゴなんていらないからウッキー!」
なんと猿達は、インターネットを使って
お爺さんが鬼退治をすること、そして、この道を通ることを調べ上げ
ここで待ちかまえていたらしいのです。
なんて心強い味方達なんでしょう!
...しかし皮肉なことに、お爺さんは大人数で行動することが苦手だったのです。
お爺さんは、一匹だけなら仲間にするが、それ以上はダメだと
選挙カーに乗って発表しました。
それと一緒に、お爺さんは<仲間になる権利争奪戦>を提案しました。
猿達も大賛成。
名付けて<仲間になる権利争奪戦>!!
その模様は、TVを通じて全国のお茶の間に流されました。
途中途中に入る新人アイドルのお色気も手伝って、視聴率は20%を超す程に。
プロデューサーは、ホクホク顔でお爺さんに感謝しました。
感謝料として、お金も結構もらいました。
お爺さんはそのお金を使って、
家に、和室の部屋を作り、お婆さんと一緒に余生幸せに暮らしましたとサ。

めでたし めでたし...


「金太郎」おわり